2024-02-28

 トロンボーンに限らず、楽器を持って演奏する事は、体に何らかの負担があります。演奏前、演奏後にストレッチをして体を柔らかくしましょう。体中の筋肉は全て繋がっています。その筋肉が固いより柔らかい方が演奏に良い影響が出るのは理解しやすいと思います。後述しますが筋力トレーニングとは違います。

 試しに練習中に前屈程度のストレッチをしてからまた吹いてみて下さい。音色が変わる事に気がつくと思います。

 例えば、上半身のストレッチは呼吸を楽にします。空気は単純に肺にしか入りません(お腹に入ったら病気です)。空気が入る肺を囲んでいる肋骨や、その周りの筋肉が今よりも柔らかく自由になれば、その内側にある肺はもっと自由に広がります。よって息の出し入れが今より楽になります。

 また立奏、座奏での姿勢を保つには体のバランスが上手くとれていないと、なかなか良い音を出しにくいです。以外に気がついていないのが、立奏と座奏で自分の音色が変わっている方が多いのです。体のバランスを取れるようになればだいぶ楽になります。その為にもにもストレッチが必要なんです。

 僕がお世話になった整体師の先生の話ですが、非常に勉強熱心な方で、僕の体を診察しながら他の方とは違う体のずれを感じたそうです。そこで先生は楽器(バストロンボーン)を実際に手に取ってました。当然音を出す事は出来ませんが、楽器の重量、体の使い方を身を持って体験したかったそうです。そこで分かった事は「トロンボーンは思った以上に体を酷使するし、体のバランスを崩しやすい」事でした。左手はしっかり固定し、右手はとても柔らかく自由にする事が、体のバランスを予想以上に崩すそうです。ですから、ストレッチ等を頻繁にして体のバランスを維持する事が、健康の秘訣と話していました。

 ではストレッチを実践してみましょう。腕、肩、首、上半身、下半身、股関節、足、など順番にゆっくり筋肉を伸ばします。伸ばし方としては勢いを付けてグングンとしないでください。ゆっくりと少しずつやさしく伸ばす感じです。少〜しだけ痛いくらいで止めておきます。あまり無理をしない事です。一回の動作は10秒くらいにします。左右対称に同じだけの時間をかけます。おそらく左右の力関係(伸び加減)は対称でないと思います。出来るだけ同じになるように時間をかけて伸ばします。ストレッチしている間の呼吸はゆ〜〜っくり深く吸ったり吐いたりします。

 1日1回と考えずに何回でも気がついたらストレッチをするように習慣にしましょう。僕は朝起きた時に布団のなかで15分くらいジタバタとストレッチをしてから起ます。同じように練習中もしますし、寝る前もしています。

 しかし、伸ばさなくてはいけないと、深く考えすぎずにに気楽にして下さい。リラックスするのが大切です。お気に入りの音楽など聞きながらで充分です。少しだけ痛くなる程度です。

 白状しますがストレッチの大切さに気がついたのは40歳くらいです。その時は前屈で両手で両膝を触れる程度でした(固すぎますよね、泣)。それから1ヶ月程で指先が床に触れる程度までになりました。やる気になれば40歳のオッサンでも1ヶ月でも出来るものなんですね。ある程度体が柔らかくなったら、楽器を持つのも、音を出す事も、音楽をする事も楽になりました。ストレッチの効果だけではないと思いますが、体が柔らかくリラックスすると、聞こえてくる音も増えてくるものなんですね。考え方すらも柔軟にありました。

 最初に書いた筋力トレーニングとストレッチの違いは、筋力トレーニングは筋力(筋肉)を付ける事で、ストレッチは筋肉を柔らかくする事です。筋力を付ける事はとても大切な事ですが、練習の合間にしても筋肉が疲れてしまうので、良い練習時間にはなりにくいのです。練習中(本番中)は何かと体が固くなりやすいので、筋力トレーニングよりストレッチをする事をお勧めします。もちろん筋力も大切なので、本番直前以外の時に筋力トレーニングをしましょう。本番直前にすると筋肉に疲れの元となる乳酸がたまってしまい、余計に疲れてしまいます。練習時の楽器を持たない時間にトレーニングする事をお進めします。

 本番前に舞台袖などでストレッチをやっていると、話した事のない弦楽器の方とが話しかけて、きていろいろな情報交換をする事がよくあります。楽器の種類関係なく必要な事と感じているプレイヤーは多いですよね。

 練習前、練習中にストレッチの重要性を書いてきましたが、練習後のストレッチもとても大切です。一日中ハードに酷使した体を「リセット」する必要があります。体に悪い癖がつかないように注意しましょう。ストレッチの内容は特に変える事はありませんが一番時間をかけて、ゆっくり筋肉を柔らかくしましょう。名スポーツトレーナーも、音楽家が本番が終わってストレッチもせず、すぐビールを飲むのなんて、音楽家生命を短くする「愚の骨頂」と書いていました。


ストレッチの画像を載せました。
すごく恥ずかしいので小さめで見て下さいね。
見るからに固そうでジタバタ感が漂ってますが、こんな状態でも効果は大きいので是非やってみて下さい。
呼吸は止めないでゆっくり吸ったり吐きながらやりましょう。

肋骨を拡げ肩の稼動域を拡げます。肩こりにも効果大です。同じ事を息をたくさん吸って息を止めてやると効果大です。
左記と同じですが、縦方向に伸ばします。
壁から50cm以上足を離し手をつきます。脇の筋肉を伸ばします。以下のストレッチは左右同じようにします。
肩周りを伸ばします。基本的な動作ですね。
手のひらを上に向けると、肘より先の部分が伸びることに気がつくでしょう。
前腕のストレッチです。スライドを自由に動かしやすくなりますし、左手も柔軟に楽器を支えやすくなります。また他の楽器も指が自由に動かしやすくなります。
股関節を柔らかくし、骨盤の位置を確認します。立奏、座奏どちらの場合でも、股関節、骨盤は重要な要素です。お相撲さんがよくやるポーズですね。実は楽器にも大切なポーズなのでした。
左記のポーズからの連携です。上半身をひねり、各筋肉を柔らかくします。左右どちらでもやって下さいね。大リーガーのイチロー選手もよくやっていますよね。



これも前腕のストレッチです。手首も一緒に柔らかくしましょう。手の組み方を逆にして同じ事をしましょう。例えば組んだとき、右の親指が下になる人は、上にします。左右同じように出来ない場合が多いと思います。それだけ体のバランスが左右で違っていると言う事ですね。ゆっくり時間をかけてストレッチしましょう。ただし、人間の体は左右非対称なので、左右が全くに同じにならなくても大丈夫です。


 ネットで「ストレッチ」のキーワードで検索するとたくさん出てきますので、参考にして下さい。