2023-05-16

ブレスで一番大切なこと

 呼吸は日本では腹式呼吸と胸式呼吸の2種類だけで表現されますが、
すごく単純に書くと、

「空気は肺にしか入りません」

 他の部分に入ったらとても痛いそうです。
すぐに救急車を呼びましょう。

 空気は肺にしか入らないのに何故、腹式呼吸と胸式呼吸の2種類だけに分けられるのでしょう?

 とても不思議なことですが、身体のどこに力が入るかで区別されるようです。


 日本では腹式呼吸と呼ばれる呼吸が、多く指導されます。
 しかし、それを具体的に説明できる方はとても少ないです。
 また、ヨーロッパ、アメリカでは腹式呼吸は良くない呼吸とも揶揄されています。

息は肺に入ります。

肺は胸にあります。

自然に胸式になると僕は思うのですが、
どうなんでしょうね?

 ちなみにヨーロッパ、アメリカでは胸の呼吸が主流だそうですよ。

 現時点で僕が理解して実践していることを書きます。
 
 何が一番大切か?を最初に書いておきます。
 

「息を吸いそして吐く」

 
たったこれだけのことです。拍子抜けすると思います。
 
そして、

息(空気)は肺にしか入りません!!

 
 他の部分に入ったらとても痛く、すぐ救急車を呼びましょう!!前述しました。息はお腹には入りません。
 
 当然ですが管楽器は楽器に息を入れて演奏しますから、息を吐かないと音は出ません。このすごく単純なことを以外に忘れている場合が多いです。
 僕自身も緊張したり力んだ時などは息を出していないことに後から気がつきます。スピロメーターが参考になります。
 
 そして、いろいろなブレストレーニングの方法があります。
 
 何拍で吸って何拍止めて何拍で吐く。などいろいろなパターンがあります。それらは、ブレスコントロールとリズム感の組み合わせだったり、肺周りのストレッチなどが含まれています。
 
 一番簡単で、ほぼ間違いない方法をご紹介します。からゆっくり吸って、鼻からゆっくり吐く」だけです。それを何回かします。ゆっくりとは大体10秒以上と考えてください。ヨガの呼吸のようなものですね。
 ヨガでは仰向けに寝転がり「死者のポーズ」「屍のポーズ」と呼ばられるそうです。
 アレクサンダーテクニークでは同じく仰向けに寝転がり膝を立てます。これは「建設的休息」と呼んでいます。
 
 2022年、太極拳、ヨガ、フィットネス、身体のエクセサイズ等の世界的権威の方々のオンラインレッスンを受ける機会がありました。(アレクサンダーテクニークの2022ゴールデンウィークの企画です)
 
 どの分野のマエストロも「息は鼻で呼吸する」事を話してました。理由は皆さん単純で一致していました。「鼻は呼吸をするための組織だから」です。そして健康のためにです。ここで言う健康とは、鼻呼吸すれば、肺に入る空気は体温に近くなり身体にダメージは起きにくい事と、埃などを肺に入れなくて済む事です。
 勿論、管楽器やスポーツなどでは、鼻呼吸だけでは必要な空気は体内に取り入れる事は難しいので、口からも呼吸します。
 
 当然ですが、鼻の最大の機能は呼吸のためです。鼻呼吸をすれば大抵の場合では身体は良い状態で呼吸ができます。
 
 例えば逆立ちしたり、ブリッジをしてる時でさえでもです。僕もこれを書くのにジタバタしながら検証しました。慣れないことすると筋肉が痛いですね。でも鼻呼吸をするとその体勢ながらの自然な呼吸ができました。
 逆に鼻呼吸で余計な力が入った場合がありましたらお知らせくださいね。
 
 そんな訳で、口は食べるのが主な機能です。管楽器を演奏する場合は鼻で吸ったら間に合いませんからね。僕は長い休みの後や、曲の冒頭などで時間を取れるときは鼻から息をゆっくり吸います。すると身体は必要な筋肉に必要なだけ力が入り、ストレスのない音色を出しやすくなります。
 
 勿論、いつも鼻から息を吸いましょうとは僕は書いてません。鼻から短い時間で大量の息を吸うのは不可能なので、通常は口から吸います。
 ここで注意したい点はアンブシュアがなるべく崩れないように、マウスピースの上下の部分を唇に当てたまま、唇の両端で吸います。テューバはちょっと難しいかも分かりませんね。
 
 それと、ブレステクニックの一つですが、口から吸う時間もない時など、鼻から少量の息を吸う事もあります。アンブシュアを変えずに吸えるので、短い時間で少量の息を吸えます。例えば天地創造の第26曲のバストロンボーンのパートでは僕は鼻から息を吸ってます。
 
 先日ちょっと驚いた事は、プロの指導者が「鼻から息を吸うことにメリットを感じないからそんな指導をしない」と書いていました。残念な発言ですが、まあ人それぞれですね。
 
 また、ブレスが大切なのですが、思い通りに演奏できない時、全てをブレスのせいにしない方が問題解決が早くなります。ブレスも大切ですが、アンブシュア、身体の使い方、ソルフェージュ、指使い、楽器などの問題など、チェックポイントは多岐に渡りますので、ご注意ください。
 
下記の動画を参考のための転載いたします。
これは医大生が勉強するためにも使用するソフトです。
thanks to @visiblebody

ブレスは大切!!

 誰でも知っていることですが、管楽器を演奏する上でとブレスはても大切です。しかし、考えすぎたり、悪い癖がついてしまったり、不確かな情報で苦労している人がたくさんいるのも事実です。
 ブレスの基本はいつもの生活の呼吸を大きくし、音楽に対応させるだけの事です。常に自然にリラックスする事を意識して下さい。
 
 ここで普段の生活でしている呼吸を改めて考えてみましょう。

  • 生まれてからずっと呼吸している
  • 考えなくても呼吸はできる
  • 普段はリラックスして呼吸をしている
  • 腹式呼吸、呼吸法のことなど考えなくても呼吸はしている
  • 吸う時と吐く時のリズムやスピードは一定
  • 吸う時と吐く時、息は止まらない
  • 鼻で呼吸する

 
 当たり前の事を書き出しました。無意識でやっている事です。簡単ですよね。ブレスはシンプルなのです。それを大きくするだけの事です。ところがこれが楽器を吹くとなると、腹式呼吸、呼吸法の名前がついてしまい、難しく考えてしまう場合が多いのです。ブレスはシンプルです。
 
 ただし、1点だけ「鼻で呼吸する」が気になったと思います。体のパーツで呼吸をする道具は鼻です。鼻から息を吸うと体は勝手にリラックスしますし、時間をかければたくさん吸えます。しかし楽器を吹くとなると鼻からだけでは足りないので口から吸います。

「ブレスのポイント

ブレスで重要な事が4つあります。理解して実行しましょう。

1 フルブレス(Full Breath)  

  •  フル(Full)は満タンの事。肺を空気でいっぱいにする事で楽器を吹く上で必ず必要な事です。フルブレスをすれば、音色が良くなり、安定します。でも必ずリラックスする事です。慣れないうちは、息が余るような時(pで一発だけ吹く時など)でもフルブレスをして習慣にしましょう。
  •  体が大きい人、小さい人、男女差など、それぞれ肺活量は異なりますが、何cc吸えば大丈夫と言う事はありません。自身の体の大きさでフルブレスをする事が重要なのです。
  •  例えば身長150cmの女性の肺活量が2500ccとした時、彼女のフルブレスは2500ccです。反対に身長190cmの男性の肺活量が8000ccとした時、彼のフルブレスは8000ccになります。そしてこの190cmの男性が4000ccを吸った時、フルブレスではないので良い音にはなりません。身長150cmの女性が2500ccを吸った方が良い音になるのです。
  •  胴体の断面図を見ればわかることだが、肺は肋骨に囲まれるように配置されています。肋骨に囲まれた「立体空間」の中に、肺は存在しています(図1)。肺は決して平面などではなく、奥行きがあり立体的です。自分の体で肺の場所、大きさを認識する事が大切です。肺は立体的に肋骨の内側に存在するのです。特に何もせずに、その事実を知っただけで息をたくさん吸えるようになります。人間の脳と体の関係は不思議ですよね。これをボディ・マッピングと言います。体の地図を脳の中で作る(想像し感じる)ことです。
  • フルブレスの感覚を感じる方法
    •  息をたくさん吸う感覚が本当に自分の状態で良いのか、疑問に思う時があると思います。喉を開けてとか、言いますが、それは正しい事とは思います。しかし、いきなり喉を開けようとしても人間の体の仕組みとしては非常に難しい事です。シンプルな事からアプローチをします。
    •  まず、息をドンドン30秒くらいかけて吐いていって下さい。もう無理と思ったらその状態で10秒くらい息を止めて置きます。苦しいですね。苦しさが頂点に達したら息を思いっきり吸いましょう。どうですか?勝手に息が体に入っていきますね。喉も開いているはずです。人間の体は息を吸いたくなったら勝手に吸える物なのです。
    •  もう一つのやり方です。今度は息を何回かにわけて吸います。1回息をたくさん吸いそのまま2.3秒息を止めます。次にまたちょっと吸います。少しは吸えますよね。これを2〜4回繰り返してドンドン吸います。たくさん吸ったと思っても、あともうちょっと吸えるのですね。それが人間の体の仕組みなのです。これは最初は体が固くなってしまいますが、実際の演奏ではこのように息を吸う事はありませんので、普段の息使いはリラックスする事を忘れずにお願いします。
    •  注意点があります。上記の事柄はフルブレスを体感する行動なので、息を止めていますが、実際の演奏で息を止める事はありません。

2 最初のブレスはフルブレス(特にトロンボーン・テューバなど)

  •  演奏し始める時はフルブレスをします。曲を演奏していて、1小節でも休みがあった後に演奏するときも最初のブレスと考えフルブレスをします。でも必ずリラックスして下さいね。

 
重要
●実際の演奏はフルブレスでなくても慣れれば良い音で演奏できます。
  ではなぜフルブレスを推奨するのかは、前述した通り「良い音で吹きやすい」
  のが理由です。なので、慣れれば常にフルブレスでなくても構いませんが、
  僕はほとんどフルブレスを心がけています。
 
  もう一つの理由が、フルブレスのトレーニングをしていると息に関わる身体の関節、肺などの
  全ての器官が膨らみやすくなります。そうなると息を吸う時に余計な力を使わなく
  楽に吸えるようになります。
 
●ここで言っているリラックスとは、「必要な筋肉を必要なだけ使う」ととらえてください。
 本当に「リラックス=脱力」してしまうと立つ事もできませんからね(^^)
 
●基本的にフルブレスが特に重要なのは、息をたくさん使う、トロンボーン、テューバです。
 トランペット、ホルンもフルブレスが重要ですが、先生によっては必要ないと断言する先生もいらっしゃいます。
 迷った時は、自分が師事している先生を信じてください。

3 リズミックブレス(Rhythmic Breath)  現在研究中


  •  息を吸う時にテンポで吸う事です。練習時は基本的に四分音符単位で吸います。息を吸ったときから(音を出す前から)リズムを感じる事ができるので音楽に乗り遅れる事が無くなります。テンポで息を吸うので、自然に吐くときも同じスピードで息を吐く事ができます。
  •  人間の体のシステムとして、吸うスピードと吐くスピードは自然に同じになります。そのスピード感は音楽のスピード感です。余計な事を考えずにリズミックブレスすれば自然にその音楽にあったリズム感。スピード感で吹く事ができます。
  •  しかし、これは演奏する箇所にもよります。最初のブレスはフルブレスなので速い曲の場合テンポでは吸えませんね。ですから事前に7割くらい吸ってから、そのままもう一度リズミックブレスをします。

4 リラックス

  •  特にフルブレスをすると人によっては力んでしまいがちです。よく子供に「息をたくさん吸って」って言うと力みまくりますね。大人もそうなる方がいます。フルブレスしてリラックスをできるように練習しましょう。
  • ●ここで言っているリラックスとは、「必要な筋肉を必要なだけ使う」ととらえてください。
  •  本当に「リラックス=脱力」してしまうと立つ事もできませんからね(^^)

呼吸法、腹式呼吸という言葉に惑わされないように!!
「全身呼吸」と言い換えてみましょう

 以外に、正しい呼吸法とか、腹式呼吸と言う言葉に惑わさせられている(だまされる)事が多いのです。楽器を演奏する為に必要な呼吸は前述したように、普段のリラックスした生活の呼吸を大きくしただけです。ですから誰でも簡単にできるのです。しかし、呼吸法とか腹式呼吸などの言葉でなんだか難しい事のように感じてしまうのです。そして、「腹式呼吸とか呼吸法を説明してほしい」と尋ねると分かりやすく説明できない方が多いのも事実です。言葉だけを知っていて理解していないのですね。
 ちなみに僕はレッスンを受けている時に、呼吸法とか腹式呼吸とかの言葉は聞いた事がありません。レッスンを受講する仲間に聞いても、聞いた事がないと言っていますね。この事でも言葉に惑わされているのが大きいと思います。
 試しに「Wikipedia」で腹式呼吸を検索してみてください。すると『腹式呼吸は、時に全く正反対ともいえるような実に様々なものが行われている』と書いています。
 
 以下のような表現や練習を見聞きした事ありませんか?実はあまりよくない表現です。
 
息をお腹に入れる・・・
 実際お腹に入ったら病気です。息は肺にしか入りません。改めて、肺の場所を確認しましょう。下はみぞおちの部分まで、上は鎖骨より上まで伸びてきています。この部分に空気を入れるのですね。肺の場所を認識できたら、そこに空気を入れようとして息を吸って下さい。具体的に場所が分かると呼吸をしやすくなります。図1
 
深い息を吸う・・・
 言いたい事はよく分かりますが、この表現で調子を崩す人もいます。なぜか?
 息は肺に入ります。肺は風船のような臓器です。息の入り方は肺の下の方から溜まっていくのではなく。肺全体に入っていくようです。と医学書に書いてあり、僕の2名のホームドクターもそう仰っていましたので、間違いないです。となると、息の量の単位は「深い・浅い・センチ」ではなく「たくさん・少し・リットル」となりますね。「深い息」とはイメージの問題であって、実際に身体で起こっていることと違うのです。ボディマッピングの間違い、勘違いはよくあることなので、ご注意ください。
 
息を吸ったらお腹が出る・・・
 間違いではありませんが、ほんの少しです。お腹が動くのは息を吸った結果動くので、動かすのが目的ではありません。時々息を吸う事を無視してしまってお腹が動く事のみに意識をしているのを見ます。リラックスしてたくさん息を吸った結果、お腹が少しだけ動きます。以前シュトレッカーさん(ウィーンフィル)のレッスンを受けた時に「息を吸ったらどこが動くのか?」と聞いたら彼は自分で自分の体のいろんな所を触り呼吸をしてから「お腹が少しだけ出る」と話してました。この事からもお腹は意識していないと言う事が分かりますね。そして多く動くのは肺がある胸です。下記のブレスビルダーの使用法を動画で見て胸が動いているのを確認して下さい。
 
腹筋のトレーニングをする・・・
 腹の上に乗って息をしたり、寝転がって上半身を起こしたりする腹筋のトレーニングは直接呼吸には関係ありません。
 このトレーニングは腹直筋と呼ばれるお腹の一番上に縦長についている筋肉です。6パックに分かれる筋肉ですね。この筋肉の働きは身体を起こす為に使われる事が多いです。ボクサーのトレーニングみたいですね(笑)ただの筋トレです。ですからやらないよりはやった方が良いです。特に僕のようにお腹が出てる人はやった方が良いです(^^;;;;
 でも呼吸法には何ら関係ありません。むしろ力んで呼吸をする悪い癖をつける練習になりかねません。要注意です!!
 トレーニングとしては、走ったり、早足で歩いた方がよほど健康的で、呼吸に良い影響が出ます。息がハアハア言うくらいの運動が必要です。特に水泳は呼吸と体力作りに大きな成果が出ます。
 
 もう少し細かく書くと、お腹の筋肉は四層になっています。上述した腹直筋は一番表面についていて、お腹周りの筋肉では一番小さいもので主に起き上がる為の筋肉です。ブレスにはほとんど関係ありません。
 ブレスに一番必要な筋肉は四層構造の一番下の「腹横筋」です。お腹をほぼ一周する四層構造の中で一番大きな筋肉です。インナーマッスルの一つです。この腹横筋を使うことによってブレスはとても楽になります。トレーニングの仕方としては、コルセットをつけるようにお腹を絞るよう凹ますと良いでしょう。
 
 
肩は動かしてはいけない・・・
 肩は後ろに動きます。図2を見て下さい。肺がある場所を図1でもう一度確認して下さい。肺の上部は鎖骨の下まできています。肺は風船のように膨らむので鎖骨は押し上げられ、鎖骨が繋がっている肩の関節が後ろに押されて動きます。肩が上に動いても大丈夫です。全身自由に動けるようにしましょう。
 
横隔膜を下げて息を吸う・・・
 正しい事ではありますが、実際に横隔膜がどこにあるか知らない場合が多く、また横隔膜の位置をしっかり理解するのは、よほどトレーニングを積まないと分かりません。実際に横隔膜を動かす筋肉は、背骨についていて3、4cmの小さい筋肉です。そこを意識するなんて本末転倒になりかねません。
 横隔膜を意識するより、リラックスして息を吸えば勝手に横隔膜は下がります。人間の体のしくみはそのようにできているのです。
 
 
 
 結果、リラックスしてたくさん息を吸いましょう。と言う事ですね。
 
●ここで言っているリラックスとは、「必要な筋肉を必要なだけ使う」ととらえてください。
 本当に「リラックス=脱力」してしまうと立つ事もできませんからね(^^)
 


図1 クリックで拡大

図2 クリックで拡大

iris-irisフリーウェア




図1の補足
沼田自身の胸のレントゲン写真です。
何だか恥ずかしいですが・・・・
上の図1と同じである事が確認できると思います。
多少の違いは人それぞれ顔が違うように身体の内部もちがいます。
黒い部分が肺で、鎖骨の上まで肺があります。

全身呼吸

 ブレスは、どこか数カ所の筋肉や関節だけが動いて呼吸する物ではないという事が、上記で理解できたと思います。では僕は何と呼んでいるか?ちょっと前までは「楽器を吹く為の呼吸」と言っていましたが、最近、研究をする事により、「全身呼吸」と呼んでいます。
 全身呼吸・・・?上半身は分かるけど、下半身も使うの?と思うと思います。
 答えは「使います!」まず一番重要な「骨盤」。座奏、立奏どちらも大きく関係しています。簡単に言うと自然な角度が楽です。腰を張ったり、丸まりすぎたりすると骨盤についている筋肉が余計に緊張します。ストレスの原因ですね。ストレスがあると楽器の演奏は自然でなくなります。
 骨盤に繋がっている背骨も勿論重要です。軍隊の整列のように真っ直ぐにしていると、これまた繋がっている筋肉にストレスがかかります。
 以外にも気がつかないのが「膝」の関節です。立奏の時、膝をロックして立っている人を見かけますが、するとせっかくの身体の響きがそこで止まってしまいます。身体の自由もきかなくなりこれまたストレスの原因になります。
 すると、足首も関連してきます。これもロックしないで自然にしている事が楽に楽器を吹くコツです。

上記の文章はまだ、改訂の余地がありますので、後日書き加えます。


ブレストレーニングの器具

 世間にはブレストレーニングの器具はいくつか出ています。僕がいつも使用している道具の使用例を動画で解説します。
 ただ、その道具を使うだけでなく、何の為に、どこを注意して、どんな効果があるかを理解すると効果は上がります。
 よく誤解をしている方がいるのですが、肺活量を増やす為の道具ではありませんのでご注意ください。
肺活量について

 ちょっとだけ注意していただきたいのが、世間で販売しているブレストレーニングの器具はすべて有効かと聞かれれば、そうでない物も有ります。スポーツに特化した物と、音楽を演奏する為のトレーニング器具は、共通する分も有りますが。共通しない部分も有ります。

 具体的に商品名を上げてしまうと問題が生じますので、商品名は出せません。このサイトで紹介しているのはお勧めしていますよ。
 我々の練習が、どこにポイントが有るかを考えれば、対応策は見つかってくると思います。息を吐く時は体はリラックスさせるのが基本的な考えです。息を吐く時に過剰に負荷を掛ける道具は、僕はお勧めしません。実際にそれを使った生徒のほとんどが、息を吐く時に「力んでしまう」非常に悪い癖を付けてしまっています。一生懸命ブレストレーニングをしているのに、悪い癖を付ける道具になっているのですね。
 見つけ方は簡単です。息を吸う時に負荷を掛け、息を吐く時には負荷がかからない道具を使えば良いのです。
 ご一考お願いします。


ブレスビルダー  

ブレスビルダー

 リラックスして呼吸するトレーニングする為の道具です。健康体を作る為に病院でも使われているそうです。肺活量を増やす器具ではありません。しかしゴム風船のような肺を、積極的に動かす事によって、固まる事なく柔軟な肺になりますので。楽な呼吸ができるようになります。
 チューブを歯で軽く噛んで使います。これは楽器を演奏する時は、歯の間を空けますがそれを自然にできるようにする為です。
 息を吐いた時、吸った時、どちらでもピンポン球は上がるようになっています。息が止まらないようにするのを実感する事、息を出し続ける(吸い続ける)事を確認する事を意識して下さい。口の両端を閉じチューブに息を送り込む事で、リラックスして楽器を吹く感覚を体で覚えます。
 主に使い方は3通りあります。常にフルブレスです。
(え〜〜っと、すいません。。。ぼくのお腹が出ているのは差し引いて見てくださいね。)
マウスピースを使ったウォームアップと同じです。

動画を撮ったのは2009年くらいですが、アレクサンダーテクニークを勉強している現在2016年の僕が見ると、胸を広げすぎようとして、肺全体に息が入っていないように見えます。特に背中の部分ですね。背中側の筋肉が緊張しているので肋骨が自由に動けない状態ですね。吸う筋肉と吐く筋肉を明確に使い分けられたら、もっと楽に呼吸ができます。

1.ゆっくり呼吸する



2.早めに呼吸する



3.ピンポン球を吸って上げる(リラックスを忘れずに)



悪い例 力が入っていてリラックスしていない





ブレスバッグ(エアバッグ)

この項目は書きかけです。後日追加します。

ブレスバッグ

 もともとは医療器具ですが、管楽器奏者にとって大切な息使いを視覚的に覚えるのに、非常に効果的です。

 肺活量を増やす道具と勘違いされている方も多いですが、それは違います。楽器を吹くのにどんな息使いをすれば良いのかを、身体で覚える為のものです。しかし、難しい事ではなく、普段の生活でするリラックスした呼吸を大きくするだけの事です。

ブレスバッグ、エアバッグ、ブリージングバッグの呼び名がありますが、どちらでも同じです。


 いつもフルブレスをします。吐くときは肺の中の空気を全て残らずブレスバッグの中に移動します。すう時はその反対で、ブレスバッグの空気を全部残らず吸いきってください。常にリラックスする事を忘れずに。途中で疲れたら休みましょう。メトロノームは♩=60です。



 動画では4拍で吸い、4拍で吐く。3拍で吸い、4拍で吐く。をしています。それ以後は以下のメニューで練習してください。
吸う 吐く
 回数
4拍 4拍
7回
3拍 4拍
7回
2拍 4拍 7回
1拍 4拍 7回
1拍 3拍 7回
1拍 2拍 7回
1拍 1拍 2回(1拍では吐ききれないので最後の仕上げのつもりで) 



ブレスバック自作版

ブレスバックは購入すると7〜8000円します。そしてゴム製なので熱心に練習すればするほど裂けてしまいます。僕は半年に一度くらいに買い換えます。学生さんにはちょっと厳しいですよね〜〜
友人が自作のブレスバックの作り方を教えてくれました。これですと数百円でできるので、便利です(^^)
また、内側を簡単に洗えるので衛生的です。

材料

1 フリーザーバック   
   どのメーカーでも大丈夫です。
   Lサイズがいろいろと調整できて便利です。

2 内径1cmくらい、長さ5cmくらいのビニールチューブ    
   日曜大工センターで1m数百円で売ってます。   
   1人分の長さは5cmくらいなので1mあれば20人分作れます。

3 輪ゴム1個

作り方


材料を揃えます。
 鉛筆を置いているのは大きさの比較です。
フリーザーバックのチャックの付いていない方を、チューブが入るくらいに切って、チューブを入れ、輪ゴムで止めます。
完成(^^)


これだと、安くてかんた〜〜〜ん!!!!

ブレスチューブ

  直径1cmくらいのプラスチックのチューブを、歯でくわえて使います。チューブは日曜大工センターで買えるような適当な物で構いません。以前は2.5cmくらいと書いていましたが、欧米人の友人たちと検証した結果、アジア人には直径1cmくらいが良いようです。

 のどを開けて、リラックスした息使いと、肺への空気の通り道を開く為です。
 無理のない、リラックスした、深い呼吸を身に付ける事ができます。ブレスバッグの袋が無い状態の物と考えてください。
 使った直後の音色が格段に良くなっている事に、気がつくと思います。一日に何度でも使って下さい。

 写真は大きさの比較の為にマウスピースを置いています。私は携帯ストラップをつけて首からぶら下げてます。

ボルディン5000

この項目は書きかけです。後日追加します。
 息を吸う量をはかる道具です。医療器具ですが、とても良い道具です。
 どのくらいの息の量を吸っているかが具体的に目で見てわかります。本当にフルブレスをしているかが実感できます。
 ポイントは自分はどれくらいの空気を吸えるのか?をチェックする事です。人より多い、少ないはさほど関係ありません。大切なのは自分で最大に吸える量を吸う事がフルブレスであるのを、認識する事です。



 フルブレスをしようとすると力が入ってしまう事が多いです。ご注意願います。
 そして一番大切なのが、ボルディン5000でフルブレスの感覚を身につけたら、楽器を吹く時にも同じように息を吸う事です。この練習は当然ですが、楽器のコントロールをしやすくする為なので、別々の意識にしない事です。

肺活量について

スピロメーター

この項目も書きかけです。少々お待ちください。

 スピロメーターは、吸った息がしっかりとマウスピースに入れて演奏しているかを、目で見て確認できる道具です。息を吸っただけでは、トロンボーンは吹けませんから。生徒の多くは息を吸っているのに吐いていない人が多いのです。
 スピロメーターを使っている時は、楽器を吹いている時と同じ状態なので、ピンポン球が下に落ちている時は「息が入っていない」=音が出ない、と言う事になりますね。 
 スピロメーターを使って息を使った演奏を覚えてください。

 使い方は何通りもありますが、まず一番大切な吸った息を楽器に入れる事ですね。それを目で見て確認できます。簡単に解説の動画を見てください。中に小さなピンポン球が入っていますが、音が出ている時にそれが上がっている事を確認してください。



 デモンストレーションとして、おじいさんの古時計の最初の部分をバズイングします。



肺活量について


 よく勘違いされている事は、肺活量が多いと上手になると言われていますが、楽器を演奏する上ではそんな事はあまり関係ありません。今までに書いてきたように自分のサイズの肺を空気で一杯にする事が大切で(フルブレス)、そして吸った息を上手に使うのが大切なのです。

 肺活量が多いと上手なら、大きな男性はは上手で小柄な女性は上手でないってことになりますね。でも世の中は、そうでない事はこれを読んでいる皆さんがよく知っている事です。小柄な女性でも名プレイヤーがたくさんいらっしゃいますよね。

 肺活量の平均は年齢と身長と性別でおおよそ決まってきます。ずっと書いてきたフルブレスの参考の為に肺活量の数字を出す数式を書いておきます。厚労省によると、以下の計算式が使われます。

男性={27.63−(0.112×年齢)}×身長
女性={21.78−(0.101×年齢)}×身長
18歳以上の成人の場合


とされています。つまり、30歳身長170cmの男性の場合{27.63−(0.112×30)}×170 となり計算すると4125.9という数字が出ます。ですので約4100ccの平均肺活量がある訳です。

 上記の例の30才男性が楽器を吹く為のフルブレスは、4100ccなのです。肺活量自体は年齢、性別、身長によって変化するので、3000ccがフルブレスの人、5000ccがフルブレスの人と、様々な個人差があるのは当然なのは理解できると思います。