誰でも「良い音色で吹きたい」のは当然の願望として持っています。僕自身も一生思い続けるでしょう。ここでは、音色に関するコンセプトをご紹介します。
1998年のバンドピープルの第一回で「自分の出したい音をイメージしながら演奏しよう!」とタイトルを付けていました。これに補足します。
自分の出したいトロンボーンの音色が「明確」に頭に中になっているかどうかです!!非常に簡単ですね。でも、以外に音が頭の中で鳴っている生徒さんは少ないのです。
「明確」とは、その音色が、日本一か?、世界一か?ハッキリ想像できるかどうかです。頭の中の想像力ですから、他人からわかりません。自分なりの音色で構わないのです。大好きなトロンボーンの音色を想像するのですから楽しい事ですよね。楽しい事を想像すると脳内物質が発生し、脳が活発に働き、それが神経に伝わり、体が自動的に良い音に向けて反応するのです。
では、音をイメージするのには何が必要でしょうか?トロンボーンの良い音を普段から聴くことですね。これも大好きなトロンボーンの事ですから、楽しい事でしょう。CDやYouTubeなど今は情報がたくさんあります。できれば生の音が最高ですね!
自分自身でどんな音を出したいかを、分かっていなければ、一生懸命練習しても上達しにくいですよね。言い換えるなら、目標を明確にすると言う事です。
それともう一つ、イメージする音を、あえて簡単な言葉で表現します。「暖かい」「豊かな」「柔らかい」「リッチな」「輪郭のある」「存在感のある」・・・・・・たくさん出てくると思います。音は言葉ではないとは言いますが、実は言葉と密接な関係を持っています。言葉を発する事により、脳が反応し練習のサポートになるのです。又、言葉で表現すればキタナイ音に敏感になります。
では、練習の方法を紹介しましょう。
一番簡単に出し易い真ん中のFの音を基準にしましょう。あなたの頭の音をとても良く聴いて(感じて)そのFの音をロングトーンします。その時は自分の音は聴かず、頭の中の音だけに集中し、楽器を吹きます。変にコントロールしようとはしません。最初に吹いたまま何も変えません。次に自分の音を聴いて吹きます。
当然、その音色には大きな差が出てくるはずです。でもめげる事はありません。あなたの頭の中に鳴っている音は「世界一」なのですから!!差がなかったらもうあなたは世界一の音を手に入れているはずです(^^;)
大切な事は良い音を吹いているイメージを身につけ、そのイメージの中で楽器を吹く事なのです。頭の中の音だけを聴いて楽器を吹けば、脳からの信号が体中に伝わり、良い音を出せるように体が勝手に反応していくのです。
これは全ての事に当てはまります。頭の中の良い音で、音階、リップスラーなどの基礎練習、ボルドーギのメロディアスエチュードやコッポラッシュなどのエチュード、吹奏楽、オーケストラ、ソロ曲、アンサンブルなど全ての演奏に当てはめるのです。
頭の中の想像力で、今演奏しようとする音楽を想像するのですね。想像なのでいろいろなことができます。あなたの頭の中には世界一のプレイヤーの音が鳴り、そのプレイヤーが音階の練習をしたり、ロングトーンをしたり、世界一のお手本を示してくれるのです!!!!
想像力を最大限に働かせて練習すると、練習の成果が格段に変わります。そして楽しいと思います。
あなたの頭の中の世界一(宇宙一)のプレイヤーに敬意を表して、乾杯!!