2023-05-16

このセクションではヒントや、
知っていると便利なまめ知識などを掲載していきます。

 
注意

  • 演奏が良ければどんな奏法でも構いません。
  • あくまでも沼田の経験と解剖学、行動心理学、脳科学などで学んだ事から得たものを書いています。 

オーディオはできるだけ良い音で聴きましょう

 
音楽を趣味やプロになろうと勉強中の方々は、赤ちゃんが言葉を覚えるように、良い音色を聴くことがとても大切と僕は考えています。
 
 現代のオーディオ環境は様々な形態で聴くことが可能です。
しかし、可能な限り良い音で聴いた方が絶対的に良いと思います。
 
 良い音を聴くには、名プレイヤーの演奏会に足を運ぶことが一番です。しかし、現実的にタイミングや公演場所、チケット代などでなかなか難しいことです、僕も全ての名プレイヤーの演奏会には足を運ぶことはできません。
 
 ではどうすれば良いか?
 
 オーディオシステムを良いものにすれば良いです。しかし、スピーカーから出す音を良い音にするには、防音室やシステムなど数百万かかります。とても現実的ではありません。
 
 ここで一番安上がりで、効果的な方法をご紹介します。
 
 ヘッドホンを選ぶ事です。
 
 僕はヘッドホンは SONY   MDR-CD900ST 密閉型スタジオモニターヘッドホンを使用しています。通称「赤帯」です。
 
 その理由は、世界中のスタジオでのシェアが多数はと言う事です。と言うことは、世界中のスタジオエンジニアがこのヘッドホンでミュージシャンの音を聴き、、造っている事実なのです。このヘッドホンで聴けば世界中のスタジオエンジニアの方々が聴いている音とほぼ同じ状態で聴くことと同じになる、と云うことなのです。
 
 スマホの小さいイヤホンも一昔前に比べれば相当音質は改善されていますが、このヘッドホンの音質と同列にならないと容易に想像できます。スタジオエンジニアはスマホ用のイヤホンでの音造りはしません。しかし  MDR-CD900STで音造りをしている方が多数派です。
 
 ちょっと考えてみましょう。スタジオエンジニアが使用しているヘッドホンで音楽を聴く方が圧倒的に良い音であることは間違えないです。
 
 しかも(ここがとても需要)2万円以内で購入できるのです。
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/71265/
僕が購入する時に色々と調べましたが、このサウンドハウスが一番安いと思います。SONYのサイトでは2万円くらいですが、ここでは1万5千円くらいです。
 
 1万5千円で世界中のエンジニアと同じ音色で聴けるとなれば、最小額で現状での最高のオーディオのレベルアップになると思いませんか?
 
 ちなみに僕がこれを購入してからの生徒さん達は10名以上購入しています。購入された生徒さんは「TVの音も今までとは比べ物にならない良い音で聴くことができ人生の楽しみが増えた」といったいました。
 
  SONY MDR-CD900STは自信を持ってお勧めできます。

 後継機種としてSONY
MDR-M1STがありますが、これは当然ですが MDR-CD900STより良い音がします。しかし値段はほぼ2倍、そしてこれが世界標準になるのは何年先になるかわかりません。世界中の録音エンジニアと同じ音で聴く条件にはなりにくいです。そのような理由でMDR-CD900STをお勧めします。

練習のPDCAサイクル

 
 この「PDCAサイクル」という言葉はビジネスマンや社会人はご存じのことと思います。最初の会社研修の頃に教わるくらい基本であり重要な考えと思います。
 
 「PDCAサイクル」をご存知ない方に簡単に説明します。ググってもすぐに出てきますので、そちらを参考にしても構いません。その方が詳しく書かれています。
 
 PDCAサイクルはPlan(計画)→ Do(実行)→ Check(確認)→ Act・Action(改善)の頭文字を並べたもので、第二次世界大戦後くらいから使われていました。今では古いとも言われますが、楽器の練習の考え方なので、僕は頻繁に伝え、自分自身でも考えに入れています。
 

Plan(計画)

これから吹こうとする時、Plan(計画)を考えます。僕は10秒〜1分くらいは考えます。慣れるまではすぐに楽器を吹き出す場合が多いですが、慣れてくると、考えないで楽器を吹くのが勿体なく感じます。
 
楽曲は勿論、基礎練習、ウォームアップなど楽器を吹く前に必ず考えます。慣れないうちは課題の一つだけでもOKです。慣れてきたら2つ3つとPlanを増やします。俗に言う頭を使って練習するって事ですね。
 

Do(実行)

Planが出来たら、実際に楽器を吹きます。
 

Check(確認)

吹いたら、今吹いた演奏はPlanにあったものか考えます。
ここが結構難しく、僕は録音しPC画面に映ったテンポや音程を目で見て、
ヘッドホンで聴いて確認します。勿論録画もして、身体をうまく使えているかもチェックします。
 

Act・Action(改善)

Plan通りにできたらOKです。
また新しい望みを叶えるためにPlan(計画)に戻ります。
もしできなかったら、何が(どの部分)をどのように改善すべきか?
考えPlan(計画)に戻ります。
 
とはいうものの、この改善部分は経験だったり、レッスンやネットでの知識から生まれるものなので、なかなか難しいと思います。
しかしネットには素晴らしい情報が溢れていますし、海外の名手達の公開講座もYouTubeにアップされています。日本語への同時通訳も自動でできるので、とても参考になると思います。
 
 僕自身の経験を伝える事もできますので、このサイトを読んだり(更新は遅いですが)オンライン、対面レッスンで知識や、練習の仕方を吸収できると思います。レッスンのページへ>>>
 
 「PDCAサイクル」は最初のうちは時間がかかってしまい面倒と思いがちですが、前述した「頭を使った練習」なので、結果的に上達速度は速くなります。
 
 
 僕がこの「PDCAサイクル」を練習に取り入れてからは、毎日ほんの少しずつ(0.001ミリくらい)でも成長している実感はあります。
 そしてジストニアの症状は出ていません。あとは自分の弱点を克服し上達していくだけです。

2023.4.2

前歯の位置について〜ベルの角度〜

 
  金管を勉強する上で多くの方が「前歯の上下の位置を揃えなさい」と言われた事があると思います。僕も演奏活動を始めてから言われた事があり、実行しました。いまだに「前歯の上下の位置を揃えなさい」とプロの指導者がいる事も残念ながら事実です。
 
 実際の歯の動きは下顎を前に出すことによって、前歯の位置を揃えベルを真横に構えるようにしました。歯は顎に刺さるように付いているので、下顎と歯は同時に動かさなくてはなりません。逆に言うと歯だけ前や顎だけ後ろって事は骨折などした状態になるので、楽器演奏は勿論、普段の生活もままならないですね。
 
 「前歯の上下の位置を合わる」と言われ、そうすると音色がとても明るくなり感動すら覚えました。それから20年間くらいはそのスタイルで演奏していました。難点は楽器コントロールが多少難しくなった事でした。しかしそれは練習で克服できる次元のものと思っていました。
 
 ある時、歯が痛くて歯医者に行きました。それまでは自覚していなかったのですが、口を大きく開けられなかったのです。これは下顎を広げる行動です。しかも顎関節がコキコキ音を出していました。歯医者の先生の診断は「慢性顎関節症」でした。
 
 「慢性顎関節症」の原因としては様々な要因がありますが、僕の場合は下顎を前に出し続け1日何時間も練習した事と診断されました。幸いなことに普段の生活には何の不自由も感じない程度で痛みも時々出るくらいで気にも留めませんでした。人によっては常に傷んだり、飲み食いすることもままならなくなる事もあるそうです。
 
 僕はその診断以降は、真横に構えていた楽器を下向きに変えました。正確には20年振りに戻した訳ですね。最初は戸惑いましたが、音色に温かみが出て楽器コントロールがしやすくなりました。20年間の経験を戻す訳なので以前の習慣が出てくる事もありますが、音色が教えてくれるので「ハッ!」と気付きます。
 
 ここで顎の関節の動きを考えてみます。動画のように、顎の関節は耳の穴の少し前くらいで顎を動かした時、指で触ると動く部分です。口を開くときは顎関節が少し前方にスライドして開きます。この自由度が多くの種類の食べ物を噛む多彩な動作を生み出すのです。
 
 アジア系民族を含む多くの民族は、前歯の位置は上の歯が下の歯より前に出ています。ただし、この位置関係は民族や、個人的骨格などの理由により逆になったり、前後の幅が違います。
 
 動画の骨格は比較的上下の歯はさほど離れていませんが、確実に上の歯が前に出ています。
 金管楽器を演奏するときは、前歯を少しだけ開きますね。そうでないと息が通るスペースがなくなりますからね。
 
 そして重要な事は、顎の関節は耳の穴の少し前くらいにあるので、顎自体は半円状に動く訳です。なので前歯を揃えるのは、顎の関節を必要以上に前に出すので、とても不自然な事なのです。それを続けていくと僕のように「顎関節症」になってしまう事もあります。
 
 ただしこれは、全ての金管奏者に当てはまることではなく、唇が厚かったり、前歯を揃えた方が圧倒的に吹きやすくなる方もいる事は事実です。
 
 大切な事は、その人の骨格や筋肉のつき方で楽器の角度はそれぞれ違う。と言う事です。
 
 ほとんどの金管奏者はちょっと下向きに構えていますね。この記事のちょっと下のに載せている「ベルアップって大切?」をご覧いただいて、有名オーケストラのブラスセクションのベルの向きを観察してみてください。
「ベルアップって大切?」はこちら>>>
 

thanks to @visiblebody

「聴く」という事
「聴く耳のトレーニング」

 
 合奏やアンサンブルなどで、「よく聴いて」と言われた事は皆さん多かれ少なかれあると思います。
 
 ここでは、その「聴く」という事について改めて考えて見ましょう。
 
 「よく聴いて」と言われる事はアンサンブルなどが乱れたりバランスが崩れている状態が大半です。
 
 演奏者は当然「よく聴いて」いるつもりです。しかし指摘されてしまいます。それって聴いているつもりや、違うポイントを聴いているのではないかと考えます。
 

 先ずは「聴く」耳のトレーニングをして見ましょう。

 
 ご自分の好きな歌、J-Popでも何でも構いません。それをYouTubeなどで聴いて見ましょう。1人で歌っているのが良いです。大勢で歌っていると分かりにくくなりますから。
 
 ここでは「美空ひばり」の「川の流れのように」を例にして聴き取る耳のトレーニングをして見ましょう。
 
 YouTubeでも何でも構いませんので、美空ひばりさん本人が、歌っている動画を検索してください。
 
 まあ最初は半分くらいでも良いのでこんな感じの歌だなぁ〜と思って聞いてください。
 
 さて、ここからです。 
 歌い出しの歌詞「知らず〜知らずー」だけに注目して聴いて見ましょう。
 
 何度か聴くと「知らず〜知らず〜」以外にも発声が聴こえてきませんか?
 
 最初の「し」の発音、「〜っしらず」となってませんか?この発声を日本語で書くのは難しいのですが、「し」の前に息が混ざった「っ」が入っているのを聴き取れたでしょうか?
 
 こう書かれて、もう2.3回聴けば必ず聴こえてきます。
 
 これを楽器で演奏する時は、歌のようにはなってませんから、スタートのアタックはとても柔らかくすると、それらしく聴こえてきます。
 
 他にも「知らず」を2回繰り返してますが、2回とも同じでしょうか?多少変化させていますね。
 
 もっと時間があったら、この曲の違う日時のコンサートの動画を、探して見てください。どれも全く同じではない事に、気づくと思います。
 
 音楽は演奏者だけでなく、共演者、場所、お客様、エンジニア、各自の体調、など様々な要因があって演奏されます。ですから全く同じ演奏にはならないのです。
 
 これらの違いを「聴き取る」のが、「聴いて」と言われる事です。英語では「聞く」「聴く」の英語は2つあり、「聞く」がhear 「聴く」がlistenです。
 
 そしてCDYouTubeなど聴くのは「聴く耳を育てる」トレーニングです。
 
 ここでは美空ひばりさんを例にしましたが、あなたの好きなアーティストの楽曲を聴いて一つ一つの言葉の発声や長さ、しゃくりなど、分析して見てください。そしてそれを楽器で演奏する時どんなアタックで、どんな長さで、しゃくりは?など頭の中で考えます。
 
 ある中学校のレッスンでは米津玄師のlemonで「聴きとるトレーニング」をしました。lemonでもどこにアクセントがあるか?歌い出しの発音は?など皆んなで考え聴いていくと、すぐに気が付きました。その後の演奏がガラッと変化したのは、生徒自身も気がつき満面の笑顔になりました。
 
 さて、これが慣れてきたら他の曲に応用したり、聴いたアーティストだけではなくカバーしたアーティスト、自分自身だったらどう歌い、演奏するのか考えて見ましょう。
 
 そしてオケや吹奏楽、ソロの演奏家はどの音をどのように解釈して演奏してるのかを聴き取る耳が育つのです。
 
 楽譜には細かいアーティキュレーションは付いていません。作曲家が楽譜に書ききれないアーティキュレーションを見つけ出し、それを再現すると表現力が多彩になります。
 
 楽しく、とても実用的な練習になりますね。


ロングトーンって何の練習?

 
 初めてレッスンする方には、レッスンの途中でこんな質問をします。
 
 文字通り「Long Tone = 長く音を出す」のですが、答えはそんな単純ではありませんよね。
 
例えば、
・ヘンテコな音で長く息を出す。
・息がなくなりそうになっても無理やり出す。
 
 などなど、「Long Tone」にはなっていますが、こんな練習をしても上手になりません。
 
 僕は「Long Tone」を「Tone Quality」と意味つけています。
 

Long Tone」とは「Tone Quality
音色を想像する。造る。創る。為の練習です。

 
 良い音色を造る為の練習です。これなら練習する意味も出てくると思います。
 
 僕のやり方を紹介します。このやり方は練習の一つなので、効果があると感じたら練習に取り入れてみてください。
 
1 まず、心を身体を穏やかにして立つか座ります。
 
2 頭の中で宇宙一の音色を想像します。貴方が担当している楽器の音色です。
 宇宙一は大げさでしたら、世界一、日本一の音色を想像します。想像するヒントは生でその楽器の良い音を聴きましょう。
 環境が難しければ、CDを聴くかネットで聴くのも一つの手段です。当然ですが生が一番ですよね。ネットの音源は圧縮しているので、生音とはかけ離れていますが、大きなヒントになります。
 
3 この練習は自分の中心となる音色を造るので、一番ゆったりとした音量、音色の質、身体のコーディネーションを考えましょう。
 
4 音を伸ばす長さですが、楽器や体格などによって違います。そんなに長くなくても大丈夫です。僕はmp〜mfの中間くらいの音量で約6秒伸ばします。メトロノームは集中の妨げになるのでかけません。
 
5 やっとここで楽器を吹きます。上記をしっかり考えます。特に音色の事ですね。頭の中の音色が相当具体化したら楽器を吹きましょう。ちなみに僕はここまで10〜30秒くらいじっりかけます。頭と身体の準備ができたら、息をゆっくり吸い良い音のままで吹き終えるようにします。
 
6 吹いているときは自分の音は聴かずに、頭の中の音だけを集中して聴きます。どうせ自分の音は勝手に聴こえますから安心してください。
 
7 吹き終わったら、頭の中の最高の音色と、自分の出した音を静かに比べます。当然頭の中の最高の音色の方が良いので、1からもう一度繰り返します。この時、少しでも頭の中の最高の音色に近づけるように「望んで」ください。「望む」だけで他は変えることはしなくても大丈夫です。
 人間の能力は素晴らしいもので「望む」だけで身体がそのように変化していくのです。
 例えば、思い込みの実験で普通の常温の鉄の棒をとても熱いものだと思い込ませて、その方に触れると軽いやけどをしてしまう。という実験も科学的に証明されています。
 
8 1〜7を3回繰り返します。2回目は頭の中の音色をもっと明確にします。演奏している場所、演奏者の顔など細かく映像化できるまで想像します。集中力をとても使いますので、僕はこれを15分やっただけで汗ビッショリかきます。
 集中して3回繰り返すと、よほどのことがない限り3回目に向かって音質は良くなっていきます。練習した効果と実感が湧きますね。こんな練習をいつもすれば上手くなると思いませんか?僕はこの練習を取り入れてから練習が音楽的になりましたし、1日の数ミリですが上達するのを実感できています。楽しいのですね(^^)
 
 
 7でただ「望む」だけと書きましたが。望んだだけで音が良くなるなんてそんな都合の良い練習ってないと思いがちですが、その「望み」を考えるまで1〜8のゆっくりした手順を踏んでいるので、この望みは叶えられます。ただ、突然上達することはありません。11日の手順を踏んだ「望み」を持った練習をした方が叶えられるのです。勿論他にも音を良くする練習もあります。
 
 
 ここまでお読みになったら、「Long Tone」と言われる練習をお手軽にできないと思います。僕は唇の状態が一番良い状態の時にやります。そして、1〜8を踏まえて文字通りの「Long Tone」をするのです。メトロノームをかけ、アタック、音の処理、音程なども注意しながら全調練習します。全長とは長調、3種の短調です。この全調は本当にキツイので毎日はできません。
 
 ウオームアップや基礎合奏などで「Long Tone」をする方もいますが、上記のような目的でないと思います。人それぞれですから、自分に合ったやり方を見つけてください。ただしその練習には「何のための練習か」をしっかり考えると時間の節約になり早く上達します。
 
 ふと思ったのですが、たくさん出版されているエチュードのほとんどは「Long Tone」から始まっています。考えてみればエチュードはプロ奏者が書いています。プロですからウォームアップが終わって、基礎練習をするときは唇や身体の状態は良い状態に仕上がっています。プロは毎日しっかり練習していますからね。ですからエチュードを練習するときは最初からでなく、できるところから始めたりするのも実は効率が良いかとも思います。

 2019.5.13

ベルアップって大切?

 
 このタイトルを読んで「うん絶対大切!!」と思った方、おそらくマーチングなどのパフォーマンスをされている方々と思います。演出にはベルアップやベルの角度は、見た目でとても重要になってきます。
 
 しかし音色を損ないたくないですよね。その秘訣を大公開します。
 
 また、座奏でコンサートやリハーサルの時、「ベルアップして」と言われた方は結構多数いると思います。この効果も検証してみましょう。
 
 まずベルアップを要求することは何を求めているのでしょうか?
 

  1. 腕の筋肉をつける。
  2. 見た目を揃える。
  3. 音を客席まで届かせる。
  4. 大きい音にしたい。

 
 ざっくりこんな感じでしょうか?
 一つづつ考えてみましょう。
 

1 腕の筋肉をつける。

 
 これは主に小・中学生に言われることですね。身体が発達途中なので、腕立て伏せなどをやって筋肉をつけてください。最初は数回できるくらいからスタートし、10回くらいを1日数セットやるだけで十分です。身体が成長すれば楽器の重量くらい持てるようになります。しかし楽器を持ってするのはあまりお勧めしません。腕立て伏せの方がより負荷をかけられるので効果的と思います。
 
 では、なぜ楽器で筋肉をつけるのがお勧めできないか?これは構え方で変な癖をつけないようにするためです。筋肉をつけるのが目的ですから、最初は楽器を持つのに安定しないですよね。そんな状態でスタートすると楽器の角度や方向が思っても見ない方になってしまう要素があります。
 

2 見た目を揃える。

 
 これは人それぞれ歯並びや骨格が異なるので、その人にとっての理想的な角度があります。それを無視してベルの向きを揃えるのは、ナンセンスと考えます。
 
 大切なのはその本人のベストの音色を出す事ですから無理な角度で吹くのは逆効果ですね。
 

3 音を客席まで届かせる。

 
 おそらくこれが一番の目的かと思います。
 マーラーの作品にはホルンにベルアップ(立奏する場合もあります)の指示が書いています(何と木管にも書いてます)6〜10名のホルンセクションがベルアップして演奏するのはとてもカッコ良いですね。
 
 さて、トランペット、トロンボーンはどうでしょう?これらの楽器のベルは前を向いていますので、音の直進性がとても高いです。例えばステージで15度くらい変化させると客席の後ろでは相当な差がでるのは容易に想像できます。
 これらの楽器がベルアップしたところで、客席全体には大きく聴こえないのですね。ベルの方向にいるお客さんだけに大きく聴こえます。しかも生々しい音色で。
 
 特にワインヤードスタイルのホール、サントリーホール、札幌キタラホール、新潟りゅーとぴあ、などでは全く効果がありません。
 
 ですから、この方法も音を客席まで届かせる目的にはあまり当てはまりません。
 

4 大きい音にしたい。

 
 上記の3と同じように一番の目的かと思います。しかし上記で説明したようにベルアップするだけでは一部のお客さんにしか効果がありません。しかも生々しい音になってしまします。
 
 では、どうしましょう?
 
 ffでもベルの角度は変えないのです!!
 
 ホルンのペルアップの話を書きました。それはホルンは音を反響版に当てることによってホールの隅々まで音を届かせているのです。
 
 トロンボーンも同じようにあえて音を床に反射させて客席に音色を届けるのです。トランペットは譜面台に音を当てて響かせることが多いですね。トロンボーンも譜面台に当てる事もあります。演奏する場所によって臨機応変ですね。
 
 結果、大きい音で客席に届かせるのは「ベルアップ」は必要なく、自分自身で一番良い音色が出る角度で吹くのが良いと思います。いつもの自分自身の角度が僕は良いと思っています。
 
 ちなみにppの場合は反射音を使わず、すこしベルを上げ気味にしてクリアな音色を客席で響すテクニックもあります。
 
 結果、ffでもppでもベルの角度は変わらないという事です。そしてその角度は個人差があるのも知っておくと良いと思います。
 
以下に沼田の場合で解説します。
ビール腹は真似しないでね(^^;;;
 
 この角度が沼田の標準の角度です。注目してほしいところは、背骨がゆるいS時カーブを描いています。それと唇に対してのマウスパイプの角度が大切です。
 このS字カーブについては 「きおつけ」に解説しています。
 
 
 
 
 

 これは唇とマウスパイプの角度は一定ですが、思い切り仰け反っています。とても苦しそうですね。よって音も苦しくなります。
 
 
 
 
 

 これは背骨のS時カーブは保っていますが、唇とマウスパイプの角度が違っています。これではいつも通り吹けないですね。
 
 
 
 
 
 

 これが、ベルアップするならば一番ベストなやり方の一つです。顔を上向きにするのですね。すると唇とマウスパイプの角度は良い状態で、背骨のS時カーブも保っています。
 でも背中のS時カーブがちょっと真っ直ぐになっていますね。この姿勢で吹くことはないので、写真を撮った時は身体的に結構しんどかったです。でも音色はいつも通りでした。
 
 
 
 
 
 

試しに「Blast」の動画を見ると上記の写真のように構えている方もいますね。でも、イケメン、スタイル良し、敵いませんね。。。。

観るポイントは「Blast」はパフォーマンスを含めたショウなので、ベルの向きを揃える必要があります。
デフォルトのベルの角度は人それぞれなので、ベルの角度を揃えるのは各自で顔を上に向けているのが観察できると思います。
そのポイントを考えながら観るととても参考になると思います。
 


最後にベルの角度について参考になるYouTubeの動画を
いくつか貼り付けておきます。
譜面台の置き方も参考にしてくださいね>>>
ホルンのベルアップは楽譜に指定してありますので、演ると演奏効果があります。
ちなみにマーラーあたりですと木管にもベルアップの指示があります。たいていのプロオーケストラはベルアップしてますが、検証の余地はありそうですね。



 2019.1.12 

良かれと思って言うアドバイス

 
 いろいろな場面で目上の方から、様々なアドバイスがあると思います。僕も学生時代はいろんな事をアドバイスしてもらいました。
 プロ活動を始めてからは自分で気がつき、自分で解決してました。それでも分からない事は、いろんな方にレッスンを受けて教わってます。今現在もレッスンは受けています。
 
 ここでは、主に学生や社会人団体で周りの方々にアドバイスを受けた時の状況を書いておきます。
 
 先ずはタイトル通りアドバイスをする方は、良かれと思ってアドバイスをしています。ありがたく耳を傾けましょう。それで納得できたら素敵です。
 
 逆に返って悩んでしまう事もあります。
 例えば
・アンブシュアに関して
・音色に関して
・音程に関して
・アタックに関して
などなど。心当たりあると思います。
 
 ここで考えて欲しいのは「解決策も一緒にアドバイスしているかどうか」です。
 
 ただ指摘するのは、乱暴な言い方ですが「ただの悪口」になってしまいます(^^;;
 
 例えば、
 音色についての場合、日本語のマジックに引っかかる事もあります。
 明るい音、暗い音と表現されがちですね。明るい音は沼田の感覚では良いイメージですが、明るすぎるは、音が開いている。音が割れている。のようなニュアンスも含まれてます。暗い音とはあまり良くないイメージですが、英語ではDark rich soundとか言われ褒め言葉です。
 
 明るい、暗いというのはとても抽象的で言われた本人には伝わりにくいのです。
 そして伝わっても、どうしたら良いのか?と本人は悩んでしまうのですね。
 
 ですから解決策も一緒に伝えるのが「アドバイス」なのです。
 
 別には本人自身に考えて貰って、自分で解決する方法もあります。
 これは上級者向けで強い信頼関係がないと難しいと思います。
 
 この記事は最近「先生や先輩に~~だよ。と言われたのですがどうすれば良いよでしょうか?」という質問があまりにも多いので書いて見ました。
 
 アドバイスする側、される側、共に考えてお互いハッピーな関係でいられると音楽もより楽しくなると思います。

2018.12.27

「きおつけ(気をつけ)」の文化と姿勢について

 

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 戦後の日本人は「きおつけ」の文化で育って来ました。反り腰、胸を張って、背筋は真っ直ぐ。実はこの姿勢は身体にとってとても負担がかかるものです。
 ですから「きおつけ」の後の「休め」は本当に楽になりますね。大人になってもこの習慣は抜けず、反り腰や背筋真っ直ぐ、の人を多く見かけます。でも、これも日本の文化なのですね。
 
 蛇足ですが、戦前の日本人の姿勢はとても滑らかで美しかったと言われています。そこから多くの柔術、華道、茶道や着物を着用した洗練された所作が生まれています。
 
 話を戻します。先日レッスンを受けた、アメリカ人のキャシー・マデン先生はこのように言ってました。
~~~~~~
[Biopsy social・社会的生物心理学]
という考えがある。

それぞれの個人や国など全てにおいて、歴史的背景、宗教、人生、文化、考え方があって当然に違いがある。それがある事を知る事が大切。
否定も肯定もせず、そこにあるだけ。
~~~~~~
 
 なので、日本人はこの「きおつけ」や反り腰、背筋真っ直ぐと、どのように付き合って行くかが大切と思います。
 
 ただ、この「気おつけ」の姿勢は楽器演奏には向いていません。
 
 人間の脊椎はS字カーブを描いてます。このカーブ具合は人それぞれ違います。その人固有のS字カーブにするだけで、身体は楽になります。
 
 当然呼吸も楽になります、楽器の音色も良くなり、タンギングや指も動き易くなります。時々、良いと思われる姿勢をやめて、絶対に悪い姿勢や、動きで楽器を吹いてみましょう。すると普段いかに余計な力を入れてるかを感じる事ができます。
 
 オペラ歌手なんて凄い体勢でも、ホールいっぱいに響く声を出しますよね。
 実は正しい姿勢なんて1つではありません。いくつもあるのです。
 
 例えば、ふかふかなソファーにゆったりと座り、背もたれにも体重を預け、脚を組んで、「ゆったりと深呼吸」感覚で楽器吹いてみましょう。良い感じで脱力しやすいです。トロンボーンだとちょっと難しいですね(^^;;;
 
 勘違いしないでいただきたいのは、「脱力」と言う言葉に騙されないようにしましょう。完全に脱力したら立てないし、楽器も持てないですよね(^^;;
 
 ここで言う脱力とは、「必要な筋肉を必要な分だけ使う」と言う事です。を
反り腰は腰痛の原因になりやすいので、腰のあたりの背骨は思っているより自由に考えておけば動ける範囲は広がります。
 背筋真っ直ぐも、肩コリや息が吸えなくなる原因の1つとなるので、自然なS字カーブを意識してみましょう。
 
 僕も長い間勘違いしていたのは、「ビッグブレス・フルブレス」を意識するあまり、胸を張ってました。
 
 胸を張ることは胸の部分の背骨(胸椎)がまっすぐになりやすいのです。レッスンを受けた時に胸椎を少し前側にカーブさせる事を教えてもらったら、途端に音色やタンギングなどスムーズになりました。
 
 今ではスマホなどで真横から動画を撮ったり、原始的な方法では2枚の鏡で真横からの姿勢をチェックできます。僕は一人の時の練習は、できるだけ体の線が出るシャツを来て、身体のどこがどのように動いているかを観察しています。ちょっとの違いで大きく音色や操作性が変化したり、大きく変わってもさほど影響なかったりと、人間の身体の仕組みに驚きの毎日です。
 
 人間の骨格や筋肉を知り正しい方向に使うと、楽器演奏が楽になります。気になりましたらお試しください。
2018.10.27

良い音で演奏したい!!

 
 これは誰でも思う事ですよね。
「良い音」と言ってもちょっと抽象的なので、具体的に考えてみましょう。
 
 良い音は「音の出だし」「音の中身(音色)」「音の切り」の3つの条件が揃うのが基本の定義と僕は思います。
 
 そして、その「良い音」とは1つだけではありません。
最も大切な事「その音楽に合っているか」です。
 
 同じ楽曲の中でも、派手なffの部分、柔らかいpの部分。
これだけで3条件の内容が違ってくることが分かると思います。
 
 吹奏楽コンクールの審査員をすると、課題曲と自由曲が同じように演奏している団体が多く感じます。
 
 これって僕の推測ですが、基礎練習や基礎合奏をするときにいつも同じ音色でやっているからなのではないかと考えます。
 
 基礎練や基礎合奏をするときには、「この曲のこの部分を演奏するから、そのクォリティーを上げるためにする」と、常に音楽の事を考えて練習すると同じ時間でも効果は抜群に違います。
 
 また、吹奏楽ではクラシックのみだけでなく、ポップス、ジャズなど多様な曲を演奏できるのが素晴らしい編成です。
 
 例えばペレス・プラード(知らなかったらググってYouTube見てくださいね)のラテンを、クラシカルな音色で吹いても全くカッコよくありません。細管で演奏する感じの方がそれらしいですね。感覚的にですが、ダメージジーンズをカッコ良いと思うか、ただ破けてると思うかの違いです。これもジーンズを履いていく場所によりけりですね。
 
 また、トロンボーン奏者としてミサ曲を演奏する事は沢山あります。トロンボーンは元々は教会の楽器だったのです。
 
 僕は無宗教ですが、ミサ曲はキリスト教の音楽です。ミサ曲におけるトロンボーンの役割としては、大抵は合唱の補助で合唱(主にラテン語)と同じ事を演奏します。
 
 大体は、以下のタイトルがついた音楽です。キリエ (Kyrie)、グローリア (Gloria)、クレド (Credo)、サンクトゥス (Sanctus)、ベネディクトゥス (Benedictus)、アニュス・デイ (Agnus Dei)、イテ・ミサ・エスト (Ite Missa Est)。など合唱と同じ事を演奏するので、アタックは当然キリエ (Kyrie)、グローリア (Gloria)などと聴こえるようにしたいです。
 
 音色もキリエ (Kyrie)、グローリア (Gloria)など、それぞれの意味がありますから、その意味を理解しそれに合わせた音色で吹きたいです。
 
 上記の付け加えですが、ほぼ同じ時代に生きたモーツァルトとベートーヴェン。R.ワグナーとA.ブルックナー、などなど、作曲家、楽曲によって明白に異なります。
 
 ちなみに偉大な指揮者のチョン・ミョンフン氏は「ブルックナーの音楽では常に宗教感を持ち、どんな大きい音でも割れた音では演奏しないでください」と話したそうです。ブルックナーは敬虔なカトリック教徒であることからそう述べたそうです。
 
 オーケストラで考えると、弦楽器のボウイングが非常に分かりやすいと思います。弦にかける圧力、弓の先、真ん中、根元、アップ、ダウン、これだけでも多種多様な音色が出ます。ボウイングは見て合わせることがしやすいので、呼吸が見えない管楽器には、なかなか難しいですが考えていくとかなり楽になります。
 
 色々と書きましたが、これらを実際にすることは、音楽を表現する考えの大きなポイントとなると思います。
 
 何らかのヒントになれば嬉しいです。
 

2018.10.8

 


筋肉のメカニズム(超回復)

 
 正しく練習を毎日しているのに、どうも調子が悪い時がありませんか?
 それは筋肉がしっかり再生されていない時が多く考えられます。
 
 特にコンクール前にハードな練習を連日して、特に変わった事をしていないのに調子が悪い事などよく聞きます。そのような生徒に普段何を食べているか聞いてみると、ご飯、ラーメンなど炭水化物を大量に摂っている事が多いのです。ラーメンライスは僕も大好物ですが、筋肉のメカニズムを考えるとちょっと違います。
 
 まず大前提として、楽器をコントロールするためには、大なり小なり必ず筋肉を使います。筋肉によっては、ずっと負荷をかけたまま持続させるような使い方もします。言い換えれば演奏家はアスリートと同じなのです。身体のことを知って効率よく練習しましょう。
 
 筋肉にとっての練習とは、練習で筋肉細胞を壊しそれが修復される事で筋肉がついていくのです。例えば100ある筋肉は、練習後は95に減っています。それが修復されると103になりだんだん筋肉がついていきます。これを「筋肉の超回復」と呼ばれます。ネットで「筋肉 超回復」で検索するとたくさん出てきますので、僕からの情報だけを鵜呑みにせず自分で調べて理解してください。
 
 きちんとケアをしないと、次の日の練習で95からスタートし、練習によって90になり、また次の日で90でスタートし85となって、筋肉はドンドン細く小さくなり調子が悪くなってしまいます。
 
 ケアといっても難しい事はしなくても大丈夫です。食事に注意しましょう。練習後は良質のタンパク質を取れば大丈夫です。鳥ささ身肉、大豆製品など。アミノ酸、プロティンも良いです。
 
 逆に練習時の朝食や昼食は炭水化物をたくさん取り、血液中の糖分を増やせば脳への養分がいきわたり、集中力が増します。また同時に水分を多く取るとより効果的です。アスリートの食事を見ると同じですね。マメに水分を撮ったり、マラソン選手などは走りながらバナナを食べたりしています。
 
 筋肉の超回復は24〜48時間かかるというので、毎日同じ練習メニューをこなすのではなく、3、4日ローテーションで違った練習メニューをすると効果的です。
 
 水分補給も重要です。集中力を落とさないようにするためです。真夏の練習なら本能的に水分を摂取しますが、冬場も出来るだけたくさん摂りましょう。
 
 体の60〜70%は水分で出来ています。体内の水分が減ってしまうと、血液内の水分が減ります。すると血液はドロドロになりますね。体内での血液の巡りは悪くなります。当然脳内での血液の巡りも悪くなります。すると脳のパフォーマンスが落ちてしまうのは容易に想像できます。
 水分の量の目安としては、最低でも一日1リットル、夏場などは3リットルくらい摂っても足りないかもわかりません。
 ただ一つ欠点が・・・トイレが近くなる事です(^^;)まあ状況を見て水分を摂ってくださいね。
 
 僕は本番前、休憩の時にコップ1杯の水を飲んでいます。それをするようになってからは、集中力が落ちにくくなりました。


 

暗譜するくらい練習した時の合奏

 
 僕は様々な場所、場面、状況でレッスンをします。
 
 そこでいつも感じるのは、本番が近づいて、ある程度曲が仕上がった状況で起きやすい現象です。ほとんど暗譜して細かいパッセージも吹けている状態ですね。
 
 僕が指揮をすると、最初は皆さんは見慣れないから戸惑って、アンサンブルが崩れます。いつもとは違うので戸惑ったり、アンサンブルが崩れても当然です。僕も皆さんも気にする事ではありません。逆に、いきなりその団体の指揮者と全く同じに振れたら天才ですね(^^;;
 
 僕の指揮はごく普通です。(と思っているし、プロ奏者達にもそう言われます)特に何拍子の何拍目は、かなり分かりやすく振ってます。
 
 僕はその状態から、昨日までの演奏から、数ステップ上の段階にしたり、ヒントを出すのが主な仕事ですから、最初はズレようが問題ありません。
 
 お互いに何となく通じ会えた頃に、気になる点をピックアップしてレッスンをします。
 
 全体の構成感の整合性、フレージング、アーティキュレーションなどたくさんありますね。気になる所を全部やると、いくら時間があっても足りないので、優先順位の高いものからレッスンします。
 
 かなりの確率で多いのは、暗譜してるくらい練習してる団体では、アーティキュレーションや拍数など、聴き覚えで吹いてしまっているのです。それだけ沢山練習した証拠ですよね。
 
 最初の頃の練習はゆっくりから一つずつやったはずです。だんだん吹けるようになると楽しいですよね。僕もその気持ちはすごく良くわかります。だって以前吹けなかったのが今吹けるんですから、楽しいです!!!!

 ただ,速く吹けるようになってからの練習に、注意点があります。最初ゆっくり練習していた時にとても注意していたアーティキュレーションや、音符の長さなど忘れないようにして欲しいです。

 
 人間には「慣れる」という素晴らしい能力があります。でも慣れると注意していないと、アーティキュレーションや、音符の長さなどが段々と変化して行ってしまうのです。これが聴き覚えの危険性なのです。
 
 各々が聴き覚えなので、僕が何もしなくてもリズムやアーティキュレーション、などバラバラになってしまうのですね。
 
 これを客席で聴いていると全体がボヤけてしまい、音楽表現をしたとしても1/10くらいの感じでしか伝わりません。
 
 この場合はまず、ゆっくりからやります。すると何でもない4拍子の伸ばしや、四分音符のカウントすら出来なくなってます。ゆっくりとは例えばM.M.=120の曲をM.M.=60くらいに極端にです。
 
 本来はin tempoで音楽的に吹ければ問題無いのです。しかし、各々音符が何拍伸ばす、もしくは休むのかをしっかりと理解してなければ、音楽表現がぎこちなくなってしまいます。当然アンサンブルも崩れます。
 
 アタックもかなり注意して何種類ものアタックを使い分けておきながら、音の切りがそれぞれになってしまってるので、せっかくのアンサンブルも勿体ないですね。
 
 ゆっくり練習すると、アーティキュレーションもスラー、テヌートの区別やその他の個人的な演奏の差が多々見つかります。
 
 聴き覚えで何となく吹けた時が一番注意するポイントです。
 吹けたと思った時も丁寧に真摯に音楽に向き合ってください。
 
 

参考記事

アッ、間違ったは残る
http://www.tsukasanumata.com/lesson/all_for_music.html#7times

吹き過ぎた時は。

 
 本番が近づいたときや、ヘビーな本番、野球応援、自分の練習など、何らかの理由で吹き過ぎることはあります。僕も時々あります。
 
 本当は吹きすぎて、唇や指、腕が痛くなるのは身体にとって良いことではありません。なので、痛くなるまで吹くことは本来は無い方が良いです。しかし、細かい音の練習や、ヘビーな本番が続いたり、野球応援なんて夢中になって吹き過ぎるものです。金管楽器の唇はとてもデリケートでプレスのしすぎで、腫れてしまいます。
 
 木管楽器の細かいパッセージ練習や、打楽器の打ちこみ練習なども痛くなったら、そこでその練習は止めて違う練習にしましょう。痛いまま無理して練習をしてしまうと、腱鞘炎になってしまう可能性もあります。
 
 余談ですが「ある指導者は、腱鞘炎になるまで練習しないと練習した事にならない」と言っている方がいらっしゃいます。これは大きな間違いです。腱鞘炎になってしまうと1〜2ヶ月練習しないで回復を待つしかありません。慢性的になると1年以上楽器に触れられないなんて事もあり、それが原因でプロ奏者を辞めていった友人もいます。
 
 吹き過ぎて身体に痛みが走ったときは「アイシング」をしましょう。スポーツ中継など見ていると、選手が競技後にアイシングをしている映像を見たことがあるでしょう。楽器演奏での筋肉の使い方は、量や場所が違うだけでアスリートと同じなのです。
 
 アイシングの方法は氷を袋に入れて痛いところに当てます。あまり長い間当ててしまうと凍傷のようになってしまいますから、数分でしょうかね。特に氷袋がなければ冷たい缶ジュースや保冷剤などでも良いです。
 
 温熱療法との併用も効果的です。アイシングから始めて冷えた頃に暖かいお湯(36度くらい)に交互に浸かります。このケアをやっていれば次の日は比較的良くなります。
 
 しかし、この吹き過ぎた場合の一番必要なことは休息です。僕は吹き過ぎたときは1、2日休むようにしています。ネットでアイシング、温熱療法などで検索すると情報は沢山出てきますよ。
 
 身体の仕組み、メカニズムを知って効率的な練習ができると、心身共に健康になり、音楽がもっと好きになると思います。
 
参考サイト
筋肉のメカニズム(超回復)
 

楽曲のカットについて

 
 僕はいろいろな団体に行って、吹奏楽の全体レッスンをする事も仕事の1つです。
 
 そこではいろいろな出来事があります。
 
 コンクールに向けてのレッスンでは時間制限があるので、楽曲をある程度カットしなければならない事です。
 
 本来、楽曲のカットとは、
「心血注いで一音一音丁寧に書いた作曲家の命を削る事」
  と考えてます。なので、本来カットは僕の中ではありません。
 
 しかし、コンクールというルールの中で制限時間内で演奏を収めるのは、致し方ありません。
 
 そこで、カットする場合、作曲家をリスペクトしたままで、どうすればベターな状態になるかを書きたいと思います。
 
 まずは、今まで出会った驚きのカットの3例を書いてみます。2例は現在もお元気で作曲活動されている方です。1例は音楽の教科書に載っているような大作曲家です。
 
 1例目は、今では吹奏楽にある程度携わってる方にはお馴染みの楽曲ですが、当時は作曲されたばかりで日本ではあまり有名ではありませんでした。
 
 ある楽器のソロ9小節の演奏からスタートするのですが、そのソロの偶数小節をカットしてました。???ってなりますよね。1.3.5.7小節目を演奏するのです。なのでソロは5小節となり時間節約となる訳です。
 
 しかもその提案は、外部指導者としてプロの指導者として活動している方からだったそうです。暫くは言葉が出ませんでした。顧問の先生にお話しして、元に戻して貰いました。本当の実話です。
 
 その曲はその少し前に、僕自身が作曲家本人の指揮で演奏しとても感動した記憶が鮮明だった時でした。今でもその感動は忘れられません。
 
 読者の皆さんもどんな曲でも良いので、お気に入りのメロディーを1.3.5.7.9小節目だけを歌うなり演奏してみて下さい。全く違う曲になりますよね。
 
 この場合は、例えば「練習番号Bに入らずFに飛ぶ」ように大きくカットすれば、まあベターな選択と思います。
 
 2例目はある有名な大作曲家が書いたオペラを、吹奏楽にアレンジして出版されてい流場合です。昔からオーケストラの曲を吹奏楽にアレンジするのは普通にあるので、このアレンジは理解しています。
 
 そのオペラは3時間くらいの演目を12分くらいにカットされて出版されています。しかしコンクールでは78分くらいにまたカットしなければなりません。例えるなら3時間の映画を7~8分のダイジェスト版にしなくてはなりません。予告編ではなく、ダイジェスト版ですのでネタバレありですから、カットは相当悩み考えますよね。
 
 オペラのカットは時系列を出来るだけ崩さず、場面転換が見えるようにすると大作曲家をリスペクトし、演奏もスムーズに流れるでしょう。
 
 コード進行上、繋げるとどうしても上手くいかない時は、例えばカットする前の部分のトニック(終止形)の音をフェルマータにし、カットして飛んだ先を、違う幕、場、景として捉え、数秒間を空けて再スタートするのがベターと思います。
 
 オペラやバレエでは多くの曲があるので、M1.M2(日本では大きい1番、大きい2番と言ってます)とそれぞれの曲を数え、それが複数合わさって幕、場、景を構成しています。
 
 例えばM4の途中からM5になり、またM4に戻るなんてカットは、その曲に愛を感じません。そんなカットを見聞きしても決してマネしないのが、音楽をする人の矜持と思います。特に指導者の皆さんに考えていただきたいと思います。全国大会に出場している団体にも見受けられました。
 
 3例目はある作曲家と審査員で一緒になった時です。そこである団体がその作曲家の曲を演奏したのですが、彼は控室に戻ってから悲しそうに「あの団体1小節だけカットしてた。ちょっとだけ難しい場所なんだけど」難しいから1小節だけカットとは、全く考えられない得ないカットです。時間制限も余裕でクリアできる楽曲です。そこは練習しましょう。
 
 他にも、同じ事が何度もあるから、回数を減らそうというカットは、とても多くあります。しかし、それも回数を重ねる事に作曲家の意図があるので、安易にカットすべきではありません。
 
 例えばベートーヴェンの書いた交響曲5番「運命」の1番最後は終止和音で全合奏で8回繰り返して書かれていますが、これを4回で良いと言う人はいません(そう信じてます!!)。どうしてもカットしたいというなら繰り返しをしないとか、ベターな方法を楽曲に愛を持って、トコトン考え悩み抜き常にこれで本当良いのかと自問自答するしかありません。悩み抜いての本番はとても素敵だと思います。そして次の演奏に良い状態で反映するものだと考えます。
 
 ちょっとだけ脱線しますが、僕は日本トロンボーン協会でコンクール、コンペティションの実行委員をしています。
 
 やはり時間制限はありますが、要項には「5分程度」と敢えて書いてます。演奏の現場ではベルを鳴らして終了をお知らせします。演奏者には不本意だと思いますが、作曲家をリスペクトしないカットをするよりは、余程ましかと思ってます。

 
 吹奏楽のカットがあまりにも軽く考えれれている現状を目の当たりにしてましたので、皆さんに一考していただきたくこの文を書きました。


リピートは楽しい?面倒?

 演奏していてリピートマークが出てくるのは通常の事です。そのリピートは楽しいでしょうか?面倒でしょうか?ちょっとだけ考えてみましょう。体力的な面や時間の問題で、リピートをしないのは致し方ない事と判断し、ここでは論じません。ここで言うことは、「音楽的かどうか」の点での僕の意見です。
 以前、スタジオレコーディングでリピートがあった時に、当時のディレクターが「ここはリピートだから同じ演奏をコピー&ペーストします」と言った所、演奏者から大ブーイングを受けた事がありました。この事は演奏者としては、「リピートしたからといっても同じ演奏はあり得ない」ということです。
 楽譜上ではリピート記号では全く同じですが、表現上では違ってくると言う事ですね。同じ楽譜でも1回目と2回目は音楽的に違う事が要求され、表現されるべきと考えています。

 例えば僕たちの生活の中でも同じ事が言えると思います。同じ事を2回言う時は全く同じには言いませんよね。1回目と2回目は違った言い方をします。たまには、あえて同じ言い方をする事もありますが、それも一つの表現の一つです。しかし、それでもコピペはいただけないなと思います。常に音楽表現を考えていきたいものですね。

 そのように考えると、リピートしたとき「音楽的にどう表現しよう?」「こんな事はどうか?」「あれはどうだ?」「バランスを変えるのはどうだ?」などと様々な考えがよぎります。そう思うと音楽表現を色々考えて楽しい事なのではないでしょうかね?

オーケストラの編成の表記

 オーケストラの編成の表示の仕方にはある程度の決まりがあります。
 
 弦楽器ならば、1stヴァイオリン16名、2ndヴァイオリン14名、ヴィオラ12名、チェロ10名、コントラバス8名の場合、16型と言い、16.14.12.10.8とも表記します。
 管打楽器の場合は通常のスコアの上から表記します。例えばフルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバ1、ティンパニー1、打楽器3名の場合
2222/4231/Timp+3のように表記します。
 
 オケだと上記のような決まった書き方があるのですが、吹奏楽ではあるのでしょうかね?各楽器何名で演奏するかはとても重要な事です。バランスが大きく変わってきますから。そのうち決まって来るのでしょうか?すでに決まった表記があったらすいません。金管バンドは定数29名(少し前は28名)と決まっているのでこの点はスッキリしていますね。


ミュートの低音

 バストロンボーンのストレートミュートで低音が当たりにくくなる事は、よくあります。ミュートの構造上仕方がない事なのですが、実際の演奏では「当たりにくいので・・・」なんて言えませんね。そこで!!解決法があります。
 ミュートの底に1mmか2mm径の穴を開けるだけで劇的に改善します。他の音域には影響ありません。お試しあれ。でも穴を開けすぎるとすかすかになってしまいますのでご注意ください。僕の経験では1mmの穴3つが限界かな?と思います。
 

沼田使用のストレートミュート
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 カップミュートは穴を開けるより、コルクの調整をしてベルとカップの隙間を変化させて鳴り所を見つけます。僕はニューストンラインは1cmくらいに調整しています。デニスウィックは曲によって隙間を変えています。ハーマン、バケットは市販のままで問題ないですよね。
 この話はBen van Dijkさんに教えてもらいました。

指揮者の服装

 指揮者の服装は基本的に自由です。本番はタキシード、燕尾服などコンサートの趣旨や演出に合わせて着れば良いと思っています。
 
 この項目で伝えたい事はリハーサル時の服装です。まあこれも基本、自由で良いとは思います。しかし僕の経験でこんな事がありました。あるオーケストラでのリハーサルですがどうも指揮が見づらく演奏に集中しにくい事がありました。指揮者のバトンテクニックの問題でもありません。その指揮者とは何度か本番をした事があり、そのような事は感じた事はありませんでしたから。見づらい原因をよく観察するとその指揮者は蛍光ピンクのシャツに赤いパンツをはいていました。それ以来、他の指揮者のリハーサル時の服装を観察するようになりました。するとほとんどの方が白か黒のシャツに着替えて指揮をしていました。
 
 そう、もうお気づきですね。派手な色のシャツを着て指揮をすると棒が見づらく集中できないのです!!演奏者の観点から、リハ時の指揮者の服装は、白か黒などシンプルな色使いのシャツを着る事を望みます。

出演者の服装

 演奏会は通常の空間ではない、特別の空間といつも感じています。最近は身近な感覚の公演もありますが、ステージ上では通常でないのはご理解いただけると思います。
 当然ステージ衣装をきるのですが、時々「う〜ん??」って感じる時があります。

 音楽を聴かせるのだから、服装は着ていれば良い、なんて方がいますがそれはちょっと論外ですよね。お客様はステージを見て、聴きに来てくれるのです。ですのでそれなりの服装を着るべきと思います。
 TVに出る方のようにメイクさん、ヘアーメイク、衣装さんなんて言いませんが、黒いジーンズだから分からないだろうとか、泥のついた靴、ヨレヨレのカッターシャツ、などなど言い始めたらきりがないですが、ステージに上がっても恥ずかしくない服装を心がけたい物です。

 な〜んて偉そうな事を書いていますが、僕もある日の本番で衣装を全部電車に忘れてしまい、黒ジーンズ、黒のカジュアルな上着、Yシャツは近所のコンビニで買って、黒靴も誰かの黒いカジュアルシューズで出演した事があります。実は客席からトロンボーンの服装は分かりにくいので、誰にも気がつかれなかったのですが、本当に恥ずかしい思いをしました。

 あと、終演後黒服のまま、お客さんと同じ電車に乗って帰るのも、僕はちょっと恥ずかしいです。知らないお客さんに声をかけられて、「今日は良い演奏でした」などと、話しながら帰られる利点もありますが、ステージ衣装で帰宅はどうなのでしょう?僕は私服に着替えて電車に乗ってます。何より本番で汗だくになった服のままでは、気持ち悪いですからね。まあ人それぞれ基本自由で良いと思います。

譜面台とスライドの位置関係

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 トロンボーンにとって譜面台の位置はとても重要です。スライドがあるため正直邪魔な存在ですね(^^:::  でも、暗譜で演奏しない限りこの問題は一生ついて回ります。譜面台とスライドの位置関係を正しく理解していない為に、演奏に支障を きたしている場合があります。
 
 会場によってセッティングは同じではありません。僕は2つのパターンで譜面台の位置を決めています。僕は右上の写真で赤字のAやBの位置にスライドを出しています。緑のCは指揮者の位置ですね。
 
 僕は極力Aの位置にスライドを出しています。ただしこの方法は左右に広がってしまうので、場所を広く取ってしまいます。狭いホール、狭いオーケストラピットなどでは、Bの位置に出して演奏する事も多いです。
 

良くない置き方

 ただし、狭いからと言って、決して右下写真のように譜面台を斜めにセットしないでください。よく中高生に多く見られますね。このセッティングは指揮者、楽譜と目線の移動が多くなり集中力が落ちてしまい、よけいなミスを誘発してしまいかねません。見た目にも悪いですしね。ネットで上手な演奏家を検索して観察してください。ベルの位置、スライドと譜面台の位置などヒントになる部分はたくさんあります。
 
 譜面台の高さも以外に気にしていない方が多いのですが、基本的に胸の高さで目線が下がるようにします。ベルを水平に上げると体にストレスがかかり、音色に悪影響が出ます。それを防ぐ為にも目線より下=胸の高さにセットします。

 

楽譜への書き込み

 誰でも楽譜には、いろいろな注意点を書き込んでいると思います。注意点は全部覚えられないので、書き込むのは何ら問題はないと思います。しかし、アマチュア(学生)とプロの書き込みには大きな違いがあるので、書いておきたいと思います。
このサイトでは、プロの演奏者がプロの現場ではどのような事をしているかをお伝するのを、基本的な考え方としていますので。そこから何らかのヒントを感じていただければ幸いです。
 
 私たちプロの演奏家は書き込みは先の丸まった濃い鉛筆(B~4B)で楽譜に書き込みます。それは楽譜の所有はオケや吹奏楽団の所有物、又はレンタル譜の為、基本的に書き込みは消しゴムで消して返すのが大前提ですからです。ですからシャーペンなど先の細い物で書き込むと、消しても楽譜に鉛筆の後がついてしまいます。後に使う人の事を考えると、シャーペンなどペン先が細いもので書き込まない方が良いでしょう。当然、赤鉛筆などで書き込むのはNGですのでご注意を!!
 
 アマチュアの皆さんが受け取る楽譜は、ほとんどの場合コピー譜と思います。実は楽譜を買って同じ団体がコピーして使うのも、違法行為になってしまいます。コピーはどんな場合もいけないんだと「後ろめたさ」をもっていれば、違法コピーは減って行くと思います。正直、僕もコピーした事もあります。意識の持ち方次第で行動は変わって行くと思います。参考:楽譜コピー問題協議会
 返す必要のない自分専用の楽譜になっているので、書き込みは自由です。生徒の楽譜を見ると、音譜がもう見えなくなるほど、書き込んでる場合もよくありますね。たくさん練習した証拠です。
 
 そしたら次は、書き込みを一度全部消し、まっさらな状態にしましょう。そして演奏します。たくさん書き込んだ情報、注意点はクリアしているでしょうか?書き込んだ事に満足してしまい、演奏に反映されていない時が多いのです。僕にも経験ありますが、参考書を買っただけで勉強した気になるのと、同じ心理ですね(^^;)
 
 プロが使う楽譜は、必要最小限の書き込みしかありません。書き込みをしなくても、自然に吹けるように練習、トレーニングしたからですね。また、書き込むべき事はいつも考えてますから、あえて書いたりしません。(良い音で吹こう、などなど・・・)

 
 


沼田のルール

 
1  これらをよく読み理解し、実行してください。
2  君たちはミュージシャンです。   
   ミュージシャンシップに則り行動して下さい。
   音楽にプロとアマの区別はありません。
3  演奏はいつも本番のつもりの緊張感でしましょう。
   レッスン、練習開始までにウォームアップは完了させ、
   100%の状態にしていましょう。
4  音楽に真摯に向き合って下さい。
   そうすれば必ず音楽は応えてくれます。
5  練習はハード、シビアに。しかし頭を使って。
   練習順序も組み立てましょう。
6  時間厳守。Time is money.
7  仲間同士アドヴァイスをしましょう。学年は関係ありません。
   しかしお互いを尊敬し合いましょう。
   そうでなければ、あなたは何も得る事ができません。
8  難しい箇所はまずゆっくりのテンポで練習しましょう。
   必ずできるようになります。
9  演奏するだけでなく頭の中でイメージを明確に造りましょう。
10 NO SMOKINGS!! 市販のかぜ薬等にも注意!!
    (飲み慣れていない薬を本番前などに飲むと、
     体調がいつもと違ってしまうことがあります)
11 一つ一つの音に集中し、責任を持ちましょう。
12 心から歌え!! 音楽を楽しみましょう!!
   好きで始めた事です。
   自己否定は辛くなってしまいます。
   自分の存在を肯定してください。
13 君たちは必ずできます!!決して諦めないでください!!


沼田司マスタークラス 上達の為のヒント

マスタークラスを開催した時に生徒に配る「心がけ」です。
 
1 楽器は自分の音楽を表現する為の道具です。
  大切なのはあなたの頭の中、心の中の音楽です。
  まず、声に出して歌いましょう。
  音楽を表現する為にはその道具を使いこなせる技術が必要です。
  自分の目標をしっかり見つけ鮮明にイメージして下さい。
 
2 音を出す時いつも自然である事を意識して下さい。
  余計な力が入ってませんか?からだのバランスが大切です。
  関節を自由にしてあげて下さい。ストレッチをして筋肉を柔らく
  しましょう。
  あなたの体は大きくも小さくもありません。
 
3 ブレスは深いため息と同じです。暖かい息を使って下さい。
  正しいブレスはとても静かなのものです。
  フルブレスをする練習をしましょう!!(必ずしもフルブレスで無くて構いません)
  そして最初の半分の息を使って演奏しましょう。
  半分減ったらブレスをします。
  肺の中の空気はいつも半分以上残っているようにします。
 
4 もし自分の演奏に問題があったなら・・・
   まず楽器を降ろし、深呼吸してから自分自身に問いかけて下さい。
    何が起こったのか?
    どこで起きたのか?
    どうして起きたのか?
    どうやって直すのか?
      この考えるのがとても重要です。
 
5 !と?
  演奏する時は迷わず音を出しましょう(!)迷ってしまうと(?)
  問題点が見つかりにくくなります。
 
6 いつも最高のトロンボーンの音と音楽を頭の中で鳴らしましょう。
  自分の音を常に聴き、目標とする音の違いを確認しましょう。
  いつも自分の音色に集中しましょう。
  感覚、フィーリングで演奏せずに現実の音、音楽を聴いて判断しましょう。
  長い音、短い音どんな時も自分が持っている最高に美しい音を出しましょう。
  紙に球の絵を書き、それを見ながらイメージを持って音を出しましょう。
 
7 練習を自分で組み立てて下さい。
   ウォームアップ、技術の練習、音楽の練習など。
   一つの練習パターンにこだわらないで、多くのパターン、
   バリエーションで練習しましょう。頭を柔らかくして。
 
8 完璧な練習はミスを許しません。

  • かなり言葉足らずです。   
  • 間違っても良い練習もあります。   
  • 後日詳しくアップいたします。

   ゆっくりでも正確に練習しましょう。
   正確に7回くり返す事により脳に刻み込まれます。
   逆に間違った情報を脳から消すには、35回正確に
   くり返さなければなりません。
   間違ってしまう事を習慣にしてしまうと、間違った癖をつける練習になってしまいます。
 
9  一度にたくさんの問題を解決できません。
   あせらず、あわてず、一つずつゆっくり確実にクリアしましょう。
 
10 音楽は感情、心を表現するものです。
   恥ずかしがらずどんどん表現しましょう。
 
11 自分自身で自分の良い先生になって下さい。
   練習を録音するのはとても良い方法です。
 
12 いつもポジティブな考えを持ちましょう。
 
13 情報を見つけましょう。
 
14 楽器を持たない時の練習もとても大切です。
   シャドースライドィングも大切です。
 
15 あなたは独りではありません。仲間がいます。
   みんなで助け合って、助言しあって練習しましょう。
16 楽器はあなたの分身です。大切にしましょう。
   機械の部分は完璧にしましょう。
    ロータリー、スライド、管の凹みなど。
 
17 あきらめないで!!あなたは必ずできます!!
 
18 いつも心から歌え!!!!音楽を楽しみましょう!!!!
 

スライドのメンテナンス

 演奏していてスライドの動きが悪くなると、結構ストレスがたまりますよね。思ったポジションに手が動かなかったり、手の動きが悪かったり、微調整もできなくなってしまいます。ひどい時はスライドを動かすと、マウスピースが口からずれてきてしまい吹けなくなる場合も見ます。
 
 スライドは常にスルスルと動くようにしましょう。
 
 メンテナンスのポイントは掃除をマメにしましょう。最近のオイルはよくすべるのですが、カスがたまり易くなります。特に外管の内側です!!
 
 クリーニングロッドにガーゼを巻き付け、丁寧にギュッギュッと内側を掃除します。頑固そうな汚れには、オイルライターのオイル、ジッポオイルをガーゼに付けて掃除します。ジッポオイルはタバコを売っているコンビニなどに200円弱で売っています。今もあるかな?
 他にクリーニングスワブってのもあります。布に長い紐が付いていてスライドの中を通すのです。これは簡単にできるので、僕は3.4日に1回はやっています。
 
 スライドのチエックですが、掃除してきれいになった状態で外管、内管を繋げて動かしてみます。この状態が一番良い状態と思います。この時に引っかかりや、スムース感が無い場合は、スライドが凹んだり、ねじれたりしているのが考えられます。楽器店に直行しましょう!!
 この良い状態をキープできるようにオイルの量を調性します。使用するオイルの説明書の量が適当だと思います。スライドオイルは金属を保護し、長持ちさせる為に使うのです。
 
 スライドオイルが一般的ですが、数社のメーカを混ぜて使う事はお勧めしません。各メーカの良い所が消されてしまいますから。僕はメーカを変える時はスライド全体(外管と内管)を洗ってから使います。
 
 動きが悪くなったら、スプレーで水を吹き付けるか、それでも動かなくなったらオイルを少し(1〜3滴)たらします。それでもダメなら上記から書いている外管の内側を念入りに掃除します。ついでに内管の内外も掃除しましょう。
 
 動きが悪くなる原因としては、ロータリーオイルと混ざると動かなくなります。その時は油系なので水洗いでないと落ちません。洗材は家庭用の食器洗い用の洗材で充分です。すすぎをしっかりね。

全ては音楽のために

小冊子を書いてみました。

かなり書きかけですが、レッスンで使用しています。

少しずつヴァージョンアップしていきます。

Ver.0.8 2015.6.12
Ver.0.9 2015.6.30

無料ダウンロード.pdf約1MB

沼田の主なレッスンスタイル

僕のレッスンでは先ず、誤解が生まれないように
どのようなオーダーかをしっかり聞きとる事からスタートします。
 
そこでどのようにレッスンを進めていくか決定しスタートします。
 
そして。。。
 
まずレッスンでお約束するのは、レッスンでは絶対に怒りません。
 
それは、僕がこうしましょうと言って、すぐ出来たらプロです(^_^;)
出来なくて普通なのです。だから積極的にチャレンジしてください。
 
すると間違ったりします。そのときの
「すいません」は必要ないのです。
 
良い音楽を目指してチャレンジして上手くいかなかった。
これのどこが悪いのでしょう?むしろブラボー‼︎です。
 
逆に何も変えようとせず、間違いもしない、変化が無い。
これこそが「すいません」です。
 
でも謝らなくて大丈夫です。
 
そんな演奏は気がつきますので、違った練習法で気がついていただきます。
 
「変える」とはどんな事かがよくわからないと判断した場合は、
よく基礎合奏をいろいろな方法でやります。ff〜pp、テンポなどいろいろ変えます。
音階やアルペジオもしたりします。
 
その場合「何故、この場で基礎合奏をするのか」を出来るだけ丁寧に説明するのですが、
生徒さん全員が理解するには時間がかかるので、
顧問の先生か大抵聴いてますから、先生に後で説明してもらいます。
 
なので、生徒さんの中には損をしたと感じる方もいらっしゃると思いますが、
音楽を変化させるのに大切な練習なので、
後で先生に説明してもらってくださいね。
 
自己紹介代わりにまず僕の演奏を、聴いていただきます。8小節程度です。
その後いくつかスタイルを変えて同じ曲をふきます。
それは、同じ曲でもやりたい事が違ったら
キャラクターが違うというのを分かりやすく説明しているのです。
 
時折、トロンボーンばかり吹いて自己満足ではないか‼︎ハズレだ‼︎つまらない‼︎
 
と感じられる方もいらっしゃいますが、
それは音楽を伝える事に重要なことなのです。
 
一つの曲ばかり練習していると、キャラクターの変化を忘れてしまうので、
あえて違う曲で演奏します。
 
例えば、あるバンドがコンクールに向けて一生懸命練習していると、
キャラクターを変化させてるのに気がつかない、
もしくは変化が足りない場合があります。
そんな時に気がつきやすいと思います。
 
時には、皆さんのバンドに入って一緒に吹く事もあります。
これも僕がただ吹きたいから吹いているのではなく、
こんな吹き方が、良いですよと言うことで一緒に演奏しています。
 
時期的な事もありますが、そこの指導者や先生と今日はどんな内容でやるかをできるだけ打ち合わせをしたいと思いま す。
 
後からもっとこんな事をして欲しかったと言われても、
僕はその時感じた次の目標に向かって「最善の方法」を考えレッスンします。
 
しかし、考え方はいくつもあるものなので、「皆さんが求めるレッスン」を致します。
 
なので、思いが違ってたらレッスンの途中でドンドン割って入って来てください。大歓迎です‼︎
 
レッスンというと、ピッチ、バランス、アインザッツを合わせましょう。
というのがイメージしやすいですが、
それがズレてるのを指摘できるのは、中高生でもできますよね。
 
何故ズレるのか?修正方法は?モチベーションの持っていき方、など、
僕の話しが長いと感じる方もいらっしゃるようです。
 
しかし、あとから冷静に考えると、
その曲のみだけてはなく、全ての曲に当てはまる事に気づくでしょう。
 
上記のいくつかの事を勘違いされる方がいらっしゃるので、
敢えて書きました。
 
それは違うのではとご指導いただけると、勉強になります。
匿名の場合は掲示板、直メールの場合はお名前を書いてご連絡ください。
 
どうぞ、僕の考えをご理解頂けると幸いです。