Q&A 肺を鍛える方法
Q 肺を鍛える方法を教えてください
わたしはTrbを吹きはじめて5年目になる高校3年生です。今まではなんともなかった肺が今年の2月に穴が空き、3週間ほどで治ったのですが、4月の半ばに再発してしまいました。病因の先生は、Trb のせいだけではないと言っているのですが、本当のところは私にも原因は分かりません。呼吸法も複式を使っているのですが・・・。
このままでは同じ事をくり返してしまう気がします。楽器は絶対にやめたくないので肺を鍛える方法や、先生の知っている人で私と同じようになった人がいたら「その人はどうしたか」など教えて下さい。
A ブレスコントロールのトレ-ニングをやってみよう
肺に穴が空いてしまったそうですが気胸の事でしょうか。そのような重要な医学的な相談は病院の先生にして下さい。私には原因や治療法を責任を持って答えられません。また知り合いで気胸になった人はいませんが、何人かに聞くと気胸になった人は数人いたそうです。しかし、しばらく安静にして治った後は元気に演奏活動しています。
あなたのようなトロンボーンに対する情熱を持っている人がいると思うととても嬉しくなります。そこで肺を鍛える方法、楽器を演奏するために必要なブレスコントロールのトレーニングを幾つか紹介します。
6月号に書いた肺のウォームアップをもう一度書きます。これはウォームアップと同時にとても良いブレスコントロールのトレーニングなのです。
まずリラックスして自然に立ちます。そして息をたっぷり鼻から吸い(気温と肺の中の温度差を鼻を通すことにより少なくし肺へのダメージを和らげるため )そのまま一度息を止めもう一度吸います。そしてもう一度息を止めまた吸います。普通は三回は吸い直せます。この時点ではだいぶ苦しいはずです。
今度は反対に息をゆっくり全部吐き出しますさっきのようにそのまま一度息を止めもう一度吐き出し三回は吐きます。これを最低3セットします。
1、2分休んでから再び息をたっぷり限界まで吸い一度息を止めます(今度は口からホーッと吸う)。そのまま両腕を上にあげ手を組みます。息を止めたまま上半身を前後左右に動かし、手を降ろしながらゆっくり息を吐き出します。これも3セットします(肺の中の空気を入れ替え、新鮮な息で吹く )。
誰でも頭がくらくらするはずです。何ともない人はよほど強靭な肉体を持つ人か息を吸う量が少ない人です。 この段階では複式呼吸の事はあまり考えず、息を最大限に吸い、吐く事に意識を集中させます。譜例を載せますので参考にして下さい。注意点はやりすぎない事です。1日10分で十分効果があります。
内径2.5cm位のチューブを口にくわえると息が通りやすくなり、息の通り道を確認しやすくなります(材質はビニールやプラスチックなど何でも良く、日曜大工センターなどで1m1000円位で販売されている。厚紙で作成しても使える。長さは10cm位)。
もっと詳しく知り、勉強したい人はシンフォニア刊、レオ・コフラー著、「呼吸の理論と実際」を薦めます。しかし、この本が書かれたのは100年前なので一部情報が古い箇所もありますが、基本的な部分は大変参考になります。
バス・トロンボーン奏者 沼田 司