2018-11-24

なぜマウスピースだけなのか?

 楽器を吹くのに、なぜマウスピースだけで練習しなくてはいけないのか?その時間を楽器で練習した方が良いのではないか?と過去に質問された事があります。最初から楽器が上手に吹ければ良いのですが、なかなかそう簡単にはいきません。楽器を演奏する時は、構え方、持ち方、楽器の重量などいろいろな負担が掛かります。マウスピースだけですと、余計な事を考えずシンプルに実行できます。
 何より、楽器と口を繋ぐ重要な道具ですから、マウスピースを上手にコントロールできれば楽器のコントロールも楽になるのです。

マウスピースを使ったウォームアップ  

 この練習はとてもシンプルで簡単です。誰にでもできる事です。しかし、楽器を演奏する上で非常に役に立ちます。残念な事に練習をして行くうちに、このシンプルな事を忘れがちになってしまいます。
 まず、息をマウスピースに入れたり出したりします。



 簡単ですね(^^)ブレスビルダーを使った練習と全く同じですね。それにマウスピースが連動したものです。

 僕はウォームアップの一番最初に最低5〜10分はやっています。また時間があるとき、ちょっとでも調子が崩れそうな時、ハードな演奏が続いて筋肉や体をリラックスさせたい時など、一日中ゆっくりしています。テレビなどを見ながらリラックスしてやるのも効果的です。「テレビ見ながら!?」なんてと思うでしょうが、他の事に目がいっても体が勝手に反応するのが目的です。リラックスして自然にマウスピースで呼吸できるようになるのが大切です。

この状態で、あとは唇が振動するだけなのです。
声帯が唇に移動しただけの事です。

 ポイントは・・・

  • リラックスする=必要な筋肉を必要なだけ使う
    •  マウスピースを持ってもリラックスして自然にできるようにするのが目的の一つです。
  • アンブシュアは作って息を吐く。
    •  ただ息を入れるだけではなく、楽器に連動させるのが目的です。楽器を吹くつもりでアンブシュアをつくってください。
  • 吸う時もアンブシュアは崩さない。
    •  吸う時にアンブシュアを変えてしまうと、吐く時にアンブシュアを作らなくてはなりません。その時時間のロスができてしまいます。そのロスが音の外しや、アタックミスに繋がってしまうのです。無駄な動きは排除しましょう。
  • 吸う時はマウスピースから吸う。
    •  この練習の時だけはマウスピースから吸って下さい。人間の体は吸う時と吐く時が同じ時が一番ストレスがかからず、リラックスした状態になりやすいのです。試しに「息を早く吸ってゆっくり吐く」「息をゆっくり吸って早く吐く」実験をして下さい。以外に難しいと思います。吸う、吐くスピードを同じになるのが自然な体の使い方です。リズミックブレスにも通じます。  
    •  実際に楽器を吹く時はマウスピースから吸ってはいけません。理由はベルから息を吸う音が大きく聞こえてしまうのと、マウスピースからだけだと吸える量が少なすぎるからです。僕の演奏「おじいさんの古時計」を参考に見て聴いてください。この録音はマイクがとても近くにあるので息を吸う音がよく聞こえますが、ホールに行くとほとんど聴こえなくなります。また吸う時の口元を見ると、口の上下の部分はマウスピースについたままで、両端を開けて吸っています。
  • フルブレスを忘れずに!
    •  楽器を演奏する時、最初のブレスはいつもフルブレスです。曲の最初や、一拍以上の休符の後に演奏する時はフルブレスですね。フレーズの途中で息が足りなくなる事もよくある事ですが、その場合にフルブレスをしてしまうとフレーズが切れてしまうので、ちょっとだけのブレスにします。

マウスピースの持ち方

 何で今更?・・・って声が聞こえてきそうです。でも、とても簡単な事ですが以外に大切です。指先で軽くシャンクの部分を持って下さい。
 口に当てた時「ギュッ」と持っていると、唇への圧力のかかり方が上下左右のバランスが崩れてしまう事があります。これは楽器に付けて吹いた時に、マウスピースだけとの感覚と違和感を感じる原因です。指先で軽く持てば、自然に唇に均等な圧力で当てる事ができます。勘違いしないでいただきたいのは、押し付けると言う意味ではありません。軽く当てましょう。

このように「ギュッ」っと握らない。
指先で軽くシャンクをつまみます。

マウスピースを使ったバズイング

 最初に確認しておきます。私がこのサイトでバズイングと言った場合、全部マウスピースを使ったバズイングを指します。唇だけで音を出す事もバズイングと言いますが、混乱をさけるため、その場合は「唇だけでのバズイング」と表現します。

 マウスピースを使ったバズイングはとても重要な練習です。金管楽器全てに当てはまります。

 例えば楽器でFの音を出した時、バスイングでも同じFの音が鳴っています。しかし時々、音がうわずったり、ぶら下がったり、外れる時がよくありますよね。その時はバズイングが違った音が鳴っているのです。バズが高めのF音ならうわずるし、低めならぶらさがります。
 Fの音を出したければバズイングでもFの音が鳴るべきなのです。昔はバズイングと実際に楽器を吹くときはアンブシュアの形が変わると言われたときがありましたが、奏法研究が進んだ現在はバズイングも楽器を吹くときも同じです。基本的な考え方が自然であると言う事なのですね。

 バズイングの音程を確認し分かりやすくする為に、マウスピースだけでバズイングをするのです。

最初に上記のマウスピースのウォームアップを、時間を取れるだけします。僕は毎日最低5〜10分以上やります。時間のあるときは一日中やってます。

息を入れながら唇の振動するところ(アパチュア)を意識します。最初は息だけがスーッと出てますが、だんだん自然に唇が振動してきます。慣れないとなかなか難しいですが、アパチュアの部分に息が通る事を強く感じ意識すると少しずつ振動してきます。振動したらそのまま何度も音を出します。音域は特に指定しません。自分で一番楽に出せる音にして下さい。この練習は力を抜いて楽器を吹けるようにする為の練習も兼ねています。

唇がほぐれて来たなと感じたら、自由に高い音から低い音まで吹きます。しかし無理をしないで楽に出せる音域だけにとどめておきます。最初にやった息だけでスーハーの息使いは忘れずに、練習しましょう。

音程を作るのは唇ですが、その根本は脳ですよね。正しい音程は頭の中にしっかりと音程が鳴っているかどうかからスタートするのです。次にその頭の音程がバズイングで出せるかどうかですね。それができたら楽器にマウスピースをつけ、スライドがその音の位置に行けば良いだけなのです。スライドの練習はまた後で解説します。

頭の中の音程とバズイングの音程を一致させる練習です。最初は簡単な音形からスタートします。今後いろいろな音楽を演奏すると思いますが、全てはこの練習が基本となっています。

声の善し悪しは関係ありません。恥ずかしがらずにね。さあ!!!!歌いましょう!!!!

例題で「おじいさんの古時計」をバズイングで吹いてみましょう。
ポイントはすべてグリッサンドで、タンギングは最初だけつくだけです。これはタンギングの勢いで音を出さないようにして、純粋にバズイングで音程を取れるようにするためです。

息が続かなかったらフレーズを短くしても構いません。大切なのはバズで音程を取る事です。

楽譜はここからダウンロードできます。pdf

おじいさんの古時計 その2です。
いきなり上記のように吹くのはなかなか難しいと思います。その場合、フレーズをもっと短くしてしっかり息を取ってゆっくり練習します。

息のウォームアップの続きです。
マウスピースでできた事を、楽器でもできるように繋げていきます。
最初は簡単な事からです。
息を入れるだけですが、マウスピースでやった事と同じようにできるようにしましょう。
何となく難しいと感じたら楽器の持ちかたに問題がある事が多いです。
楽器の持ち方は後日加筆しますね。シンプルな事ですが以外にはまっていない事が多いのです。。。



上記の練習は少しづつでも良いので毎日すると、音程、音色が良くなります。
常にリラックスするのを忘れずに。。。